既卒の就職の現状や難易度、求人の探し方。第二新卒とはどう違う?

新卒至上主義、新卒一括採用なんて言葉があるように、日本では就職において新卒がかなり優遇されています。

それ故に新卒カードを無駄にしてはいけないし、既卒になってしまうと正社員になれないだなんて極端なことも言われていました。

しかし最近はその状況も変わってきています。

既卒とは?第二新卒との違いは?

既卒とは?第二新卒との違いは?

既卒とは、高校や短大、大学などを卒業したが就職を経験していない、すなわち職歴が人のことを指す、採用市場における言葉です。

年齢に厳密な決まりはありませんが、基本的には卒業後1年目から3年目、年齢では25歳までとされている場合が多く、既卒採用を行っている企業もそこを一つの条件に課している場合が多いです。

一方第二新卒とは同じく卒業後1年目から3年目の人ですが、一度正社員でも派遣社員や契約社員でも職歴として残る仕事の経験がある人のことです。

既卒の就職の現状

では次に既卒の就職の現状を紹介していきましょう。

選択肢は3つ

既卒者が就職活動する場合、大きく分けて3つの方法があります。

新卒採用枠で応募する

まず一つ目が新卒採用枠で応募するという方法。

以前までは新卒採用で応募できるのは就職活動の時点で学校に在籍しており特定の年に卒業予定の人に絞られている場合がほとんどで、一度卒業してしまうとチャンスがなくなってしまっていました。

しかし厚生労働省が新卒での応募可能枠を卒業後3年以内のものに広げるように通達をだした結果、現在は多くの企業が既卒でも新卒採用枠で応募することが可能となっています。

わざわざそこまで枠を広げなくても人が集まる大手企業もこの通達を受け入れ、自動車メーカー、電器メーカー、銀行など名だたる企業が既卒者を受け入れるようになっています。

既卒採用枠で応募する

上記の新卒採用枠は入社日が決められており、大半は翌年の4月入社に向けて春頃に採用試験があります。中には9月入社が可能な企業もありますが。

しかし既卒になって5月、6月頃から就職活動を始めようと思った場合や、できるだけ早く社会人になって働きたいと思った場合には不都合になる為、随時行われている既卒採用に応募することになります。

新卒採用に比べると既卒採用を行っている企業は少ないですが、そもそも既卒者自体が多くはなく採用される可能性は大いにあるので、既卒者の大半はこの既卒者採用枠から就職しています。

公務員試験を受ける

公務員になるというのも一つの方法。

公務員はだいたい30歳未満(職種や地域によって異なる)であれば、社会人経験があろうがなかろうが、卒業見込みであろうが卒業済みであろうが関係なく応募することができます。

既卒の就職は無理?難しい?

既卒が正社員に就職するのは難しいなんて言葉はよく言われていますよね。

これに関しては、残念ながら否定できない部分があります。

新卒採用枠で応募した場合は新卒が有利になり、既卒採用枠で応募した場合はたいてい第二新卒者も応募が可なのでそちらが有利になってしまい、どちらにせよ既卒であるということが不利になってしまう為です。

ただ就職が無理なんてことはまずありません。20代を欲しているが見合った人材に出会えていない企業は多いですから。

既卒が大手に就職することは可能か

ただでさえ難しい既卒者の就職。さすがに大手は無理でしょうか。

新卒採用枠であれば応募は可能であり、実際卒業した翌年に割と有名な大手企業に入社した人を実際にいるのを知っているので、無理ではありません。

しかしながら新卒ですら入りたくても入れない人が多い大手企業。既卒という肩書で内定を貰うのはかなり難しく、相当優れた能力を持ち、上手くアピールしていかないと中々難しいですね。

既卒が就職する場合の難易度

では既卒の就職難易度についてもう少し詳しく紹介していきましょう。

新卒採用枠で応募する場合

既卒

この図は、株式会社ディスコが行った既卒者の新卒枠採用の状況なんですが、66%、3社に2社は既卒者の応募を受け付けていますが、実際に既卒者に内定を出した人企業は14.2%にとどまります。

現在の大学生就職率は97.3%で、既卒者になるのはたった2.7%ですから、既卒者を受け付けても応募がない企業もあるので、この数字を見て一概に厳しいと決めつけることはできません。

しかし実際に企業の採用担当者に聞くと、やっぱり既卒者だということでちょっと厳しい目線で見てしまうことは多いようです。

なぜ既卒になってしまったのか、何かしら問題があるのではないか、個性が強すぎるのではないか、そんな風に思われる場合が多く、エントリーシートやたった数回の面接でその思いを覆すアピールをしなくてはなりません。

既卒採用枠で応募する場合

求人には既卒可となっているものも少なくはないです。ただそういった求人に合わせて書かれているのは第二新卒可という文字。

既卒者は既卒者同士で争うのではなく、一度社会人を経験している第二新卒者と採用枠を巡って争うことになります。

冷静に考えて、全く同じ年齢で社会人経験がある人とない人のどっちが有利になるかと言えば前者ですよね。

最近は求人に出しても応募が少なくて困っている企業も多いので、正社員になるというだけならそう難しくはないんですが、人気のある企業だと既卒という肩書が重荷になって、それを逆転する何かがなければ厳しいです。

そしてこれは卒業からどれくらいたったかによっても変わります。

同じ既卒でも卒業してから1年たっていない人と2年を過ぎた人は全然違います。

例えば卒業後1ヶ月なら、同じ年齢の第二新卒者と争っても後者はさすがに辞めるのが早すぎるのでむしろ社会人経験がない人の方が有利とされるでしょう。

しかし3年目ともなると、同じ年齢の人がそこそこ社会人としての経験があるので差が大きくなってしまうとともに、丸2年以上卒業してから何をしてたのと採用担当者に疑念を持たれることにもなります。

ですから既卒で就職するならだらだらせずに思い立ったらすぐに行う。これが重要です。

既卒の求人の探し方

既卒の求人の探し方

では最後の既卒の求人の探し方について紹介していきたいと思います。

新卒採用のサイトから

新卒採用枠で応募するなら、以前の通り新卒採用のサイトに登録して応募していくことが基本となります。

学校に求人が来ていればそちらを利用して応募可能となる場合もありますので、卒業した学校の担当者に確認してください。

転職サイトから

既卒可の求人が掲載されているのは転職サイトです。

リクナビNEXTやdodaといった大手転職サイトであれば、そこそこ既卒可の求人を確認することができるので見てみてください。

またスカウト機能を利用すれば、表にでていない求人の応募案内が来ることもあるので利用しておきましょう。

転職エージェントから

最近は既卒者や第二新卒など若手向けの転職エージェントが増えているので、こちらを利用してみるのもいいと思います。

こちらは自分で求人を見て応募企業を探すのではなく、就職希望者と企業側双方の希望を鑑みて、条件が一致している企業を紹介して貰うという形になるので、応募ができる時点で採用の見込みがあるということになります。

また色々と就職に関してサポートをしてくれるというのも大きなメリット。就職活動は自力でやろうと思っても難しいことが多いですしね。