転職の平均年齢や年齢制限、リミットは何歳までなのか

年齢が高くなるにつれ転職の難易度は高くなると言われており、年齢の高さに不安を覚えている人は少なくないと思います。

まあ実際のところ、会社だって同じ能力ならより若い人の方が仕事を覚えるのは早いし、今後の可能性にも期待を持てるし、上司と部下の年齢が逆転することもないのでやりやすいからそうなってしまうのは仕方がないのかもしれません。

ただ最近は年齢が高くても成功しやすくなっている傾向にあり、単に年齢が高いからという理由で諦めてしまう必要はあまりなくなっているようです。

転職の平均年齢

転職サイトdodaが調査した結果によると、転職成功者の平均年齢は32.5歳となっていることがわかりました。

ちなみに男性は33.0歳、女性は29.9歳となっていて、男性の方が年齢が高くなっています。

この結果について、少し驚きを感じる人は多いのではないでしょうか。

転職では20代のうちになんて言われていることも多いですが、にも関わらず平均が30歳超え。男性に至っては転職限界説と言われている35歳にかなり近いです。

女性は少し前まで28歳が転職限界説なんて言われていましたが、もうほぼ30代となっているわけですから。

ここまで年齢が高くなっているのは最近のこと。過去10年のデータを見ると、転職の年齢は徐々に上昇していることがわかります(下記引用:転職成功者の年齢調査)。

年齢

約10年前をみれば男性は29.7歳、女性は27.6歳となっていて、たった10年間で2歳から3歳も平均年齢が上昇していることがわかります。

最近になって社会人3年目以内の転職希望者を対象にした第二新卒転職が活発になってきたので平均年齢が下がってもおかしくはないものなんですが、実際はそれ以上に30代、40代の転職が活発化してきています。

さらに転職成功者の年齢割合についても見てみましょう(下記引用:転職成功者の年齢調査)。

年齢2

最も多いのは20代なんですが、約半数は30代以上、さらに前まで限界説なんて言われていた35歳以上が約3割もいます。

この結果を見ればさすがに35歳限界説なんて言う言葉がすでに昔のものであることがわかりますね。

事実、現在は豊富な経験や知識、スキルを持っている30代や40代向けの求人が増えており、それらの世代を対象にした転職エージェントすらでてきています。

まあもちろん年齢が高い人にはそれなりに求められる能力も高くはなりますが。

転職の年齢制限

このように転職の平均年齢が年々上昇しており、40代であっても十分に転職でキャリアアップを収めることができる可能性は増えています。

しかし中には年齢制限が課されることによって、応募ができない求人もあり、その点ではやはり20代有利となっています。

年齢制限が許される場合、許されない場合

求人票等で年齢制限を課すことは、雇用対策法10条によって原則禁止となっています。

雇用対策法10条

事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の募集及び採用について、厚生労働省令で定めるところにより、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。

ただしこれには例外事項があります。その一つが長期勤続によるキャリア形成を図る為というものの場合。

若年者を期間の定めのない労働契約をする場合、職業経験を不問とすることを条件に年齢制限を課しても良いとされています。

第二新卒者の年齢制限

求人においてよくある年齢制限の一つが、第二新卒を対象とした求人に対して年齢制限がかけられている場合。

第二新卒は基本的に入社3年以内のことを指し、大卒者であれば25歳が一つの制限になっている場合が多いです。

しかし3年以内というのは厳密に決められているものではなく、企業によっては4年目までの人と対象としていて26歳までとなっている場合もあります。

未経験者の年齢制限

第二新卒者ではないものの、未経験者可となっている求人ではよく年齢制限が課されています。

よくあるのは30歳未満。未経験者採用の場合、20代というのはやっぱり有利になりますね。

他には35歳未満という条件を課している企業もありますし、全く年齢制限をしていない企業もあります。

大企業のように人気のある企業は年齢が低く、中小企業になるにつれて年齢が高くなり条件もなくなっていく傾向がありますね。

人気のある企業は制限を多少厳しくしても人は集まりますから。

転職ではリミットは何歳までか

転職ではリミットは何歳までか

ではここで転職ではリミットが何歳までかということを改めて考えてみましょう。

転職35歳限界説の現状

以前言われていた転職35歳限界説は、現在の平均年齢を考えてみればもうないものだと考えて良いと思います。

転職成功者のうち、約3割の人が35歳以上なわけですから。

しかし未経験職に転職する場合には全くなくなっているわけではありません。

求人の時点で35歳未満と年齢制限を課している場合が少なくはなく、そもそも応募する企業が35歳になって格段に少なくなります。

また制限がなく応募することが可能であっても、もし30歳未満の応募者がいればほぼ採用されることはないでしょう。

広くみれば35歳でも転職は可能。しかしそれはこれまでの経験を生かした転職をする場合に限り、未経験の場合には25歳、30歳、35歳にそれぞれ壁があって、徐々に難易度は上がっていくことは間違いありません。

20代の転職と40代の転職の違い

では経験者採用、キャリア採用なら20代も40代も同じかというとそういうわけではありません。

それぞれの年齢によって、そもそも求められるものが違います。

20代は経験やスキルこそそこそこでいいものの、柔軟性や熱意、ポテンシャルといったものを求められます。

40代は今後の成長なんかより、現時点で即戦力になりうるスキルを持っているか、豊富な経験があるかを求められます。

これらは同じ土俵で戦うことがまずありません。

企業は求人を出す時点でどういった人材が欲しいのかを決めています。

経験がそこそこある20代なのか、豊富な経験がある40代なのか。

もし40代向け求人に20代が応募したり、逆に20代向け求人に40代が応募すれば、まあ受かることはないでしょう。

しかし求人票には年齢制限を書くことはできません。

先ほど述べた長期形成を図る観点で年齢制限を課すならば、経験不問としなくてはいけなくなりますからね。

よって転職活動で無駄な労力を費やさない為にも、応募条件で求められている能力などからおおよそターゲットとなっている年齢を類推するか、転職エージェントを利用して自分の年齢がターゲットとなっている求人を紹介してもらわなくてはなりません。

まとめ

このように、転職では全体的に見れば何歳でも転職することは可能であるものの、未経験者に限れば年齢が高くなるにつれて困難になっていくのが現在の転職市場です。

まああくまで今回紹介したのは全体的な傾向の話であり、転職がしやすいかどうかは個人次第。

能力が高ければ何歳でも転職することはできるし、能力が低ければ20代であっても転職することはできない。結局自分がどうかを意識することが大切です。