転職活動は就職活動のように周りと同じタイミングで進めていくものではなく、最初は右も左もわからない状態で一人で行っていかなくてはならない為、始める前に大きな不安を感じているという人は少なくないでしょう。
どうすれば転職活動を上手く進めることができるのか、そもそも自分は成功させることができるような人間なのか、色々なことを考えてしまうかもしれません。
そこで今回は初めての転職に向けて転職活動の流れや現在の状況、成功に向けたポイントなどを紹介していきます。
現在の転職市場状況、かなり転職はしやすい
まずは現在の転職市場の状況から紹介していきましょう。以前に比べ、非常に転職しやすい状況ができあがっています。
顕著な人手不足、高い有効求人倍率
現在、人口減少や産業構造の変化、景気の上昇といったことを理由に多くの企業で人手不足が顕著となっています。
帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査」によると、43.9%の企業で正社員が不足しており、規模の大きい大企業ほど不足感が顕著となっています。
有効求人倍率も非常に高い値で推移してします。
リーマンショック後の2009年に0.49倍であったものが2016年には1.36倍と25年ぶりの数値になり、2017年も上昇していっています。
これらのデータからわかるように、転職は非常にしやすい状況にあり、タイミングとしてはとても良いと言えます。
売り手市場による効果
売り手市場による効果というのは、単純に転職先の選択肢が多く倍率が低いので内定を貰いやすいということだけではありません。
人手不足という環境の中、他の企業に比べて悪い条件では人材は当然集まりませんから、より好条件で募集をかけるので転職によって年収アップできる可能性は高くなります。
また、年収交渉においても上げて貰える可能性は多くなります。
第二新卒需要の増加
人手不足という状況の中でも、特に若手の人手不足が深刻化している企業は非常に多くなっています。
企業にとって若手の人材は今後企業が存続、成長していく為に非常に重要になってくるので、なんとか確保しようと必死です。
その結果、卒業後3年以内に辞めた第二新卒者に注目が集まり、需要が非常に高くなっています。
関連記事:再就活!第二新卒の転職の定義や大手企業採用状況、成功と失敗を分けるもの
転職平均年齢の上昇
少し前まで、転職するなら20代の内に、35歳を過ぎるとまともに転職することができないなんて言われていた状況も、現在では変わってきています。
転職成功者の平均年齢は10年前が29.1歳であったものが、現在は32.5歳となっており、大幅に上昇しているのです。
35歳はもちろん40代での転職成功者も増えてきています。
関連記事:30代の転職事情や転職理由、男女による違い。35歳限界説はすでに崩壊しており成功可能性は十分ある
転職の成功率
転職の成功率は低いと思っている人が多いかもしれませんが、決してそんなことはありません。
自己都合の退職の場合、転職して満足している人、満足していない人の日膣は以下のようになっています。
- 転職には満足・・・78%
- 転職に不満・・・22%
8割近くの人は転職に満足していると答えているのです。
転職するにあたり、どうしても失敗するというリスクが頭によぎりますが、過剰に捉えすぎて身動きが取れなくなってしまうなんてことがないように注意してください。
参考:厚生労働省「職業生涯を通じたキャリア形成」
転職活動の平均期間
転職活動は、仕事を辞めてから行うか在職中に行うか、大企業狙いか中小企業狙いかによって大きく変わってくる部分ではありますが、平均すると大体2ヶ月から3ヶ月程度といったところになります。
転職時の採用試験では各選考時で結果がでるまでにある程度時間がかかってしまうものなので、たとえ上手くいった場合でもある程度日数はかかってしまうものです。
転職活動時の応募社数
転職活動時、応募する企業はおよそ20社程度が平均的な数字となっています。
応募社数については年齢が高いほど多くなっていく傾向にあり、以下の通りとなっています。
- 20代前半・・・13.6社
- 20代後半・・・15.0社
- 30代前半・・・15.6社
- 30代後半・・・20.3社
- 40歳以上・・・23.7社
とにかく数さえこなせば良いというわけではありませんが、採用試験には本人の能力だけではなく企業との相性など運の要素もでてくるものですから、ある程度の数に応募することは必要。
また、応募して結果がでるまでには時間がかかってしまうので、結果が出る前から二の手、三の手を仕込んでおかないと、時間ばかりがかかってしまうことになります。
転職活動の流れ
では、ここから転職活動の流れを紹介していきましょう。
求人を探す
転職活動を始めようと思った時、まずは求人を探すところから始めてkづあさい。
まずはどんな企業があるのかを知らなければ、希望条件といったものも決めることができません。
求人を探す方法としては4つ。
- 転職サイト
- 転職エージェント
- ハローワーク
- 企業サイト
があります。
転職サイト
転職サイトの特徴は、自ら求人を探すことができ、応募することができるといったことにあり、とりあえず求人を見たい、自分のペースで良い求人が応募したいといった時には便利です。
また、大手転職サイトにはスカウト機能があり、登録しておけば企業側からオファーを貰える可能性があります。
良いオファーを貰えば選考に有利になる場合もあるし、そもそも倍率が低いので受かりやすくなってます。
転職サイトは求人を探す以外にも転職ノウハウなどの情報を見る、診断テストを行うといった点でメリットがあるので、転職しようと思ったらまず最初に登録する人が多いです。
転職エージェント
転職エージェントは、求人の紹介から、履歴書の添削、面接の対策、企業との交渉といった転職全般に関わるというものをサポートしてくれるサービスです。
転職エージェントで紹介して貰うことができる求人はほぼ転職サイトでは見ることができない非公開求人となっています。
人気のある大手企業や条件が良い企業などはほぼ非公開求人となっているので、転職サイトで求人を探して良い求人がないと嘆くのは少し早すぎます。
もちろんあくまで非公開求人ですから、なんでも求人を見ることができるわけではなく、その人の希望、職歴などにあっておりエージェントが受かる可能性があると判断した場合にのみ求人を紹介してもらえます。
ハローワーク
各地域には厚生労働省設置法に基づき、公共職業安定所、いわゆるハローワークがあり、こちらでも求人を探すことは可能となっていあmす。
転職サイトや転職エージェントと違って求人を掲載するにあたり費用がかからないので、地元の中小企業が主な掲載企業となります。
ただ、ブラック企業が多かったり、実際は求人する気がないカラ求人があったりと、転職サイトや転職エージェントに比べてデメリットも多いので注意しましょう。
企業サイト
各企業のサイトでも求人情報を掲載している場合が多いです。
転職サイトのように条件を絞って一括でみることができず、自分で気になる会社の斎尾を一つずつ見なくてはなりませんが、転職サイト等には掲載していない企業の求人情報も見ることができるという利点があります。
第二新卒等で行われる春及び秋の一括採用では、企業サイトに掲載されることが非常に多くなっています。
自己分析、希望条件の決定
一通り求人をチェックして、どういった求人があるか、条件の相場はどれくらいかということが分かったら、具体的に自己分析や希望条件の決定を行っていきます。
自分の中で譲れないものはなにか、逆に妥協できる部分は何かなどの優先付けや、転職活動時に武器になる自分のスキルや強みといったものをじっくり考えることなど、じっくり行っていかなくてはなりません。
転職が失敗に終わる人はここをおろそかにする場合が多いのでまず力をいれるべき部分です。
目標、スケジュールを立てる
一通り希望の条件などが定まったら、目標やスケジュールを立てていきましょう。
期間の目安は3ヶ月
転職活動の期間の目安は3ヶ月。もちろん必ずこの期間に納めなくてはいけないというわけではありませんし、無理に3ヶ月で終わらせようと妥協するなんてことはもってのほか。
ただ目安は持っていないとスケジュールもたてれず、日々の転職活動を後回しにしたり、だらけて何もしなかったりとずるずる時間だけが過ぎ去っていくことになるので必要です。
ちなみに3ヶ月というのは転職にかかるおよその平均期間というだけではなく、転職エージェントを利用できる期間でもあります。
転職エージェントは無料で扱える分、ある一定期間で転職することを条件としており、その期間で転職できなければサポートは終わりとなる場合が多いです。
もし仕事を辞めてから転職活動する場合、3ヶ月というとちょうど失業保険が受給開始になる時期。つい甘えて転職を先延ばしにしたくなってしまいますよね。
ただ3ヶ月を超えて無職期間が続くと、長ければ長くなってくるほど仕事を見つけることが困難になるので、できる限り早めに転職するようにしてください。
ちなみに失業保険を余らせて転職した場合でも、再就職手当という形で一定割合受給できることができます。
転職する最低ラインを決めておく
最初から転職すると決めてしまうと、条件面で悪化するような場合であってもとりあえず良い面だけを見るようになって無理に転職しようとする人が多いです。
わざわざ転職するのに、今の会社より悪くなるなんてことがあっては転職したことに絶対後悔することになります。
転職活動を行っていると、途中で何かしら妥協しなくてはいけない部分はでてきますが、あらかじめどこまでなら妥協することができるかということを決めておけば、転職するかしないかの判断を正しく行うことができます。
その為にも、まずは今の仕事について冷静に分析しておくことも重要になってきます。
費用の算出
転職するとなると、どうしてもそこそこお金はかかってしまうものです。
転職サイトや転職エージェント、ハローワークなどを利用する場合にはお金がかかりませんが、面接時の交通費は自分で払わなくてはなりません。
近場の企業を受ける場合なら大きくはかかりませんが、Uターン転職など遠方に出向かなくてはいけなくなる場合、交通費や宿泊費などである程度の出費が必要となることは覚悟しましょう。
また、内定がでてから転職するまでに人によっては引っ越し費用などもかかる場合があります。
あらかじめ貯金がどの程度あり、退職金がどの程度貰えそうなのかということは確認しておいてください。
応募企業の決定、業界、企業研究
自分の希望条件が決まれば、あとはその希望にあった企業を探して応募することになります。
希望にあった仕事を探し為にもしっかり企業について調べることは重要です。
十分によく調べなかったせいで想定外の悪いことが入社後に発覚したということが多々あります。
希望条件に合った企業を見つけるのは転職エージェントを利用するのが良いと思います。
転職エージェントは、転職希望者の希望条件と、それまでの経験から鑑みて採用される可能性がある企業を紹介してくれるので、無駄な企業に応募して時間や手間を浪費することを防ぐことができます。
企業に応募、履歴書や職歴書の作成
企業が決まればまずは応募。履歴書や職歴書を書いていくことになります。
転職サイトのスカウト機能や転職エージェント経由の応募の場合には書類選考が免除となる場合もありますが、その場合でも履歴書や職務経歴書の提出は必要になることがほとんどです。
履歴書や職歴書の書き方に関してノウハウ等も色々とありますが、年齢による違い、経験者か未経験者かの違い、企業による求めることの違いなどがある為、それぞれの転職に応じて書き換えていく必要があります。
まずは自力で書いてみるというのは必要ですが、転職エージェント等で添削をしてもらうことは必ずするようにしてください。
筆記試験
最近では中途採用の場においても、一般常識問題や適性検査といった筆記試験が行われることが増えています。
そこまで難しく考える必要はありませんが、あらかじめ参考書1冊くらいはやっておくことをおすすめします。
学生時代に学んだことも時間がたつと忘れていることも多いですが、1冊やっておけば割と思い出すことができます。
面接
書類選考に通過すると今度は面接です。
面接は企業によって1回で終わる場合もありますが、大企業で応募人数が増えてくると面接に回数は増え、多いところだと3回以上行う場合があります。
3回面接が行われる場合、それぞれの面接での役割について紹介します。それぞれの面接に応じて対策を練るようにしましょう。
1次面接
1次面接は人事が担当することが多く、基本的な社会人としてのマナーやコミュニケーション力といった基礎的な力や、人柄、性格、仕事に対する熱意といった点を見ていくことになります。
転職活動では集団面接が行われることはまれで、一次面接から個別面接が行われると考えておいてください。
2次面接
2次面接では、人事に加えて実際に働くことになる部署のそれなりの役職の人が面接官になることが多いです。
より専門的な知識、経験といったことを問われる場合もありますし、部署の雰囲気に合っているか、一緒に働きたいと思える人間かといったことを見られます。
最終面接
最終面接は役員や、それ相応の人が面接間となり、熱意や意欲、人間性といった点を見られ合否の最終判断が下されます。
最終面接まで進めばもう受かったようなものだと思うのは危険。企業によっては最終面接でも半数以上を落とす場合もあるので、決して準備を怠らないでください。
落ちた企業の分析
先ほど紹介しましたが、転職活動の際に応募する企業は平均すると20社程度。内定を貰えるまで19社も落とされてしまうことになります。
落ちる原因は本人の能力不足だけではなく、企業の希望とマッチしていなかった、企業の好みにあわなかったなど様々な原因が考えられるので、いちいち落ち込む必要はなく、どんどん次にチャレンジしていく必要があります。
ただ、落ちたらなぜ落ちたのか一度考えてみるようにしてみましょう。そこから次につながることが見つかる可能性があります、転職エージェント利用時はフィードバックしてもらうことも可能です。
内定、退職準備
ようやく内定を貰ったらそこから退職準備が始まります。
退職時のルールとして、2週間前には伝えなくてはならないという法律上のルールがありますのでそれは守らなくてはいけませんし、引継ぎ等のことを考えると1ヶ月程度前には言っておいたほうが退職時のトラブルを避けることができます。
入社日に関しては交渉可能ですが、基本的には1ヶ月程度先が適度です。ただ場合によっては2ヶ月待ってもらうことが可能になる場合もあります。
有給休暇が残っている人が多いと思うので、退職前にできるだけとることを考えるとできるだけ先にしておいたほうがいいかもしれませんが、あまり先にすると転職先の企業に嫌がられますのでバランスよく決めていきましょう。
また内定後には改めて年収交渉が可能となる場合もあります。内定を了承する前に、一度転職エージェントには相談するようにしてください。
初めての転職を成功する為のポイント
では、ここからは初めての転職を成功する為のポイントについて紹介していきます。
こだわりは持ちつつ、広い視野で
転職先を選ぶ場合、なんでもいいからなんて考えを持たずにしっかりこだわりを持つことは必要です。
ただこだわりを持ちすぎて視野が狭くなりすぎないように注意はしてください。
例えば最初から業界を決めてしまうと、実は自分に合った企業が他にもあるのに見逃してしまう可能性があります。
業界にしろ、企業規模にしろ、最初は知るという観点を大事にするといいでしょう。
自己分析を適当にしてはいけない
転職活動する人の中で、自己分析を特に行わなかったり、適当に行ってしまう人は非常に多いです。
これまで社会人として働いてきた経験から、自分のことはわかっていると過信してしまっているのが大きな理由かもしれません。
ただ、多くの人は実は本質的なことをわかっていません。それ故に転職後に様々な点に不満を持つことになります。
とにかく最初は自己分析をしっかり行うようにしましょう。
準備を徹底的に行う
採用試験に挑むにあたり、履歴書を書いたり、面接に行ったりと、色々と大変なことがあるでしょう。
大変なことがあると、人はついつい手を抜いてしまうことが多いです。
ただ、手を抜いてしまうとそこから綻びが生じ、落ちてしまう原因になります。
準備に関してはこれでもかっていうくらい行ってください。
転職活動では何度もチャンスがあるとは言え、一つ一つに手を抜いてしまうと本来受かるはずのものに受からなくなってしまいます。
履歴書に関しては何度も添削してもらう、面接に関しては想定質問をこれでもかというくらい考え、実際に練習もしてみるといったことを行いましょう。
最初は転職エージェントを利用しておいたほうが良い
転職エージェントは、これまでも何度か紹介しましたが様々な点で転職をサポートしてくれます。
初めて転職する場合には不安なこと、わからないことも多々ありますが、サポートしてもらうことでかなり転職活動を楽に進めることが可能になります。
ですので、転職活動を進める際には必ず利用するようにしてください。