どうせ会社を退職するなら、変なトラブルを起こすことなくスムーズに円満に退職したいですよね。
ただその気持ちとは裏腹に自分のふとしたミスや周囲の意見によって思ったように退職が進まなかったり、場合によっては辞めたいのに辞めさせてくれないなんて場合もあります。
そこで今回は会社を退職する場合の流れや辞めたいのに辞めさせてくれない場合の対処法を紹介していきます。
会社を退職する場合の流れ
退職する場合、特に気を付けなくてはいけないのが退職を伝える順序です。そこを間違ってしまうと下手に退職でトラブルを引き起こすことになってしまいます。
退職の基本的な流れは以下の通り。
- 上司に退職すること伝える、退職届を提出する
- 退職に関する手続きを行う
- 同僚に退職することを伝える
- 担当業務を引き継ぐ
- 有給休暇を取得する
- 退職の挨拶をする
上司に退職することを伝える、退職届を提出する
まず一番最初に行うことは直属の上司に退職を伝えることです。先に他の人に言ってしまって間接的に耳に入るようなことは絶対に避けてください。
上司に退職する場合に気をつけるのは以下のポイント。
- 個室の呼び出し二人きりで話す
- 退職日の1ヶ月以上前に伝える
- 曖昧な言い方はしない
退職を伝える場合、無駄な気遣いをして曖昧な言い方をしてしまうと引き留め等をされてしまう可能性があるので注意してください。
退職届は退職を伝える際に持っていく必要はありませんが、了承してもらったらできるだけ早く提出するようにしましょう。
退職届は会社で指定のフォーマットがある場合はそれに従い、ない場合はネット等で検索し決められた形で書くようにしてください。
退職に関する手続きを行う
上司に退職を伝えた後は具体的に退職に関する手続きを行うことになります。
会社によって手続きの流れは異なるので、上司に確認するようにしましょう。
退職に関する手続きは人事が行うことになりますが、人事とのやりとりは自分で行うかそれとも上司がやるのかも違いますので一人で勝手に進めていかないように気を付けてください。
同僚に退職することを伝える
同僚に退職を伝えるタイミングは、上司の判断に任せ、許可を出してもらってからにしてください。
場合によってはまだ言わないでほしいと言われる場合もありますので早とちりはしないようにしましょう。
信頼している相手であっても許可がでるまでは極力言わないようにしてください。なんだかんだで噂として広まってしまいます。
伝える許可がでたらできるだけ短期間で伝えるべき人には伝えるようにしましょう。
話が広まるのは早く、直接伝えるべき人に間接的に耳に入ってしまう可能性があり、嫌み等を言われる場合もあります。
担当業務の引継ぎ
引継ぎの準備はできるだけ早く行うようにしてください。
後任が決まるタイミングはもしかしたら退職のぎりぎりかもしれませんが、そういった場合でも対処できるように資料をまとめておくようにしてください。
引継ぎの際はできるだけ細かなことも忘れずに引き継いであることが重要です。
有給休暇の取得
退職時点では有給休暇がたっぷり残っている人というのは少なくないと思います。
残念ながらこの有給休暇は退職してしまうと何の補てんもなく消えてしまうだけです。
その為、できるだけ有給休暇はとるようにしたほうがいいです。
引継ぎなどで中々休むことができないかもしれませんが、せっかくなんでできるだけ取っておきましょう。
転職先が決まっていない状態で入社日等の縛りがないのであれば、最後にまとめて有給休暇をとって退職という形もできます。
退職の挨拶
最終出社日には関係者に直接挨拶回りをすることが望ましいです。
挨拶回りの際は100円程度のお菓子を持っていき、感謝の意を伝えましょう。
挨拶周りは意外に時間がかかるので、もし挨拶する人達が多いならば数日前から徐々に行っていくというのも一つの方法です。
退職時に返すもの、貰うもの
退職時には必ず返却しなくてはいけないもの、逆に貰わなければいけないものがあるのでしっかり確認しましょう。
会社に返却するもの
返却物は基本的には最終出社日、もしクリーニング等が必要で最終出社日で返すことができない場合があれば後日郵送等で送っても問題ありません。
- 健康保険証
- 社員証
- 名刺
- 定期券
- 制服
- ロッカーのカギ
- その他、会社から借りているもの
会社から貰うもの
会社からは最終出社日ではなく、後日郵送されてくることになります。
- 離職票
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳
- 健康保険被保険者証資格喪失確認通知票
- 退職証明書
- 源泉徴収票
それぞれ1週間から2週間程度で送られてくることになりますが、どれも重要な書類ですので大切に保管してください。
転職先が決まっている場合には転職先への提出、転職先が決まっていない場合には自分で手続きをする場合に必要になります。
辞めたいのに辞めさせてくれない場合の対処法
上記流れに沿って退職を進めるにあたり、一番の難関が一番最初の上司に退職を伝える時です。
上司によっては、辞めることを伝えても「今辞められては困る」、「辞めることは許可できない」、「無責任だ」、「逃げだ」など色々なことを言って辞めさせてくれない場合も実際によくあることです。
その場合は正直面倒なんですが、しっかり対応しておけば問題ありません。
そもそも退職は会社側に拒否権はなく、労働者の意思で自由に退職することが可能です。
民法627条でも退職に関して以下のように定められています。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
法律で定められていますから、会社側の人間があの手この手を使って退職を申し出てきた労働者を辞めさせないことは違法なことなのです。
とは言っても実際によくあること。なぜ辞めたい人間を辞めさせないのか、その理由や対策について紹介していきましょう。
会社が辞めさせてくれない理由
なぜ辞めたいと言っている人間をなぜ辞めさせてくれないのか、その理由としては以下のものが挙げられます。
辞められると人手が足りない
会社を辞めさせてくれない最も良くある理由は、一人辞めることによって人手が足りなくなってしまい、仕事に支障をきたしてしまう為です。
特に近年は多くの会社で人手不足となっており、もう誰に辞められていても困るという状態に陥っている場合も少なくありません。
また、仕事を各個人に任せきりになっていてその人でしかできない仕事ができてしまっているなんて場合もありますね。
退職に限らずけがや病気などで急きょ人員が少なくなる可能性はあるので、組織として柔軟に対応できる仕組みを作っておかなくてはならないのですが、それができていない会社が多々あり、とにかく退職を引きとめようとしてくる会社がでてきてしまっています。
離職率を上げたくない
入社3年以内の離職率は四季報等にものり、会社の評判にも直結する場合があるのでできるかぎり上げないように会社として取り組んでいる場合があります。
その為、3年未満で辞めようとするととにかく引き留めて辞めさせないようにするという場合があるのです。
上司の評価が下がる
会社によっては退職者を出した職場の上司に対して、管理が悪かったということで評価を下げてしまう場合もあります。
こういった仕組みがある場合、直属の上司がなんとかして辞めさせないようにするという気持ちがうまれてしまうのも仕方がありません。
貢献しないまま辞める人間が腹立つ
求人広告を出して採用、採用後に教育。実際に雇った社員が会社に利益を生み出してくれるには時間がかかり、かなりのお金も費やすことになります。
一般的に一人の社員を採用して元を取るまでには3年程度かかるなんてことも言われており、企業にとって早期離職者を出すことは赤字の要因です。
そういった背景から、何の貢献もしないままに辞めていく人間に対していらだちを覚える人というのは割といて、それを理由に辞めさせないようにしてくる場合があります。
辞めたいのに辞めさせてくれない場合の対処法
さて、もしもあなたが退職をしようとしたのに会社が辞めさせてくれないなんて場面に遭遇してしまったらどうすればいいでしょうか。その対策を紹介していきます。
上司とのやり取りを記録しておく
まず少しでもトラブルになりそうになったと判断したら、その証拠を押さえるように心がけてください。
具体的には上司との会話の録音、退職に関係するメールの保管、日々のやり取りに関してメモで残しておくといったことです。
これらの証拠は最後まで解決できなかった時に役に立つものですからしっかり残すようにしてください。
退職の意思が固いことを伝える
上司と向き合う場合、こちらとしても何を言われようが退職の意思は固いということを伝えるようにしてください。
逃げだ、甘えだ、無責任だなどと言われたら、表面上でもいいのでとりあえず謝っておき、それでも退職の意思は変わらないということを伝えてください。
もしそもそも会話にならないようなら退職届をただ提出するというのもあり。話を聞いてくれないので仕方がありません。
法律を武器にする
もしこちらから退職の意思が固いことを伝えても、かたくなに退職を拒否されるようならば法律を武器にしていきましょう。
上述したように、退職は会社側がどうのこうの言えるものではありませんが上司がそのことを知らない場合もあります、
たいていは法律を武器にされると素直に従ってくれます。
半ば強制的な手段なので、できれば話し合いで終わらせるのがいいのですが、らちが明かないと判断した時には武器として使うようにしてください。
退職届を内容証明郵便で提出する
法律を持ち出してもだめ、退職届も受け取ってくれないという場合には、退職届を内容証明郵便で送ってください。
本来退職届は会社が受け取らないという選択ができるものではないのですが、ああだこうだと受け取ってくれない場合もあり、そして退職届なんて貰っていないとわめく場合もあります。
内容証明郵便で送っていれば、退職届を提出したという事実を第三者が証明してくれることになるので、退職届を出した出さないというやり取りはなくすことができ、法律に従い2週間後に辞めることが可能となります。
労働基準監督署に相談する
退職届を内容証明郵便で提出するような事態になってしまった時には、その他でも色々なトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。
例えば、退職時に必要な書類を出して貰えない、退職日までの給料を支払ってもらえない、損害賠償や罰金を請求されるといったことです。
これらのことは当然法律上違法です。この場合は労働基準監督署に相談するようにしてください。
退職を告げたことによるトラブル、もう会社に行きたくない時は
退職を告げてから少なくとも2週間は会社を辞めることができません。
その期間で色々とトラブルに巻き込まれてしまう場合も残念ながらあることです。
例えば、毎日個室に連れてかれて退職を取り消すように罵声を浴びる、上司があからさまに嫌がらせ行為をしてくるといったことです。
もしそういったトラブルによってどうしても会社に行きたくない時は、有給休暇を使って2週間をやり過ごすという手段もあります。
ほとんどの人は有給休暇がたくさん残っているかと思いますが、取得しようとした時に会社側が拒否をする権利はありません。
極端なことを言えば退職を伝えると同時に明日以降2週間は有休を消化すると伝えれば、次の日からもう会社には行く必要はなくなるのです。
普通は引き継ぎ等も行わなくてはならないのであまりおすすめできる方法ではありませんが、もしどうしても行くことができないならこの手段を使ってみてください。