転職は人によって良いものとなる場合もあれば、逆に悪いものとなってしまう場合もあるものです。
転職することによって得られるものというのはとても多いですし、成功の可能性は高いので必要以上に恐れる必要はありませんが、失敗の可能性がないわけではないということを忘れてはいけません。
そこで今回は、仕事を辞めて後悔しない為にすべき退職前の準備や心構えについて紹介していきます。
仕事を辞めて後悔する人は多い
仕事を辞めて転職したことを後悔する人ってどれくらいいると思いますか?
およそ3割の人は転職したことに後悔しているという結果があります。
逆に言えば、転職して良かったと考えている人が7割程度いるということで、転職の成功率は非常に高いものがあることにはなりますが、3割という数字は決して簡単に考えてはいいものではありません。
もしこれから転職しようとしている人がいたら、自分がその3割に入ってしまう可能性というのは十分にあるのです。
後悔した後、どうなる?
では万が一仕事を辞めた後で辞めたことを後悔してしまった場合、その後はどうなってしまうのでしょうか。
出戻り転職の可能性は低い
まれに一度会社を辞めたとしても、その会社に戻れる可能性があります。
退職後も上司と仲良く相談すると戻ってこないかと誘われたり、特別に優秀な人材で一度会社を辞めたという事実があっても戻ってもらいたいと思ってくれている場合なんかは、可能性がゼロではありません。
ただその可能性は著しく低いのが現実です。大企業であればほとんど戻れることはありませんし、万が一戻れたとしても待遇面では悪化してしまう可能性も高いです。
仕事を辞める際、だめだったら戻れるかもなんていう淡い期待は絶対に持たないほうが良いです。
再転職するにしても、我慢して働き続けるにしてもしんどい
出戻りできる可能性がかなり低いので、多くの人は我慢して働き続けるか、もう一度転職するかになってしまいます。
ただどちらも幸せな選択にはならない場合が多いです。
我慢して働き続けていても後悔の念は消えず、いつまでも過去を振りかえってしまうことになります。
転職するにしても、早期退職や転職回数の増加によって自分が望んでいるような転職ができずに、結局一番良かったのは最初の会社だったなんていう思いが消えません。
転職の失敗は、下手したら何十年と引きずってしまうことになるリスクがはらんでいるのです。
なぜ仕事を辞めて後悔してしまうのか
では仕事を辞めて後悔する場合、具体的にどういった点で後悔することが多いのでしょうか。
後悔した人が感じる具体的な内容
よくあるのは以下のような理由からが多いです。
- 転職先で人間関係が上手くいかなかった
- 休みが少なく労働時間も長く仕事がきつかった
- 思ったように仕事で活躍できなかった
- 給料ダウンの影響がかなり大きかった
- 転職先の仕事が面白くなかった
後悔する人の特徴
転職では、なかなか全てのことが良くなるなんてことはありません。
休みは多くなり、残業が少なくなり、給料は上がり、仕事内容も面白くなる。そうなれば最高ですし、転職して良かったと感じる場合がほとんどでしょう。ただそうも上手くはいきません。
何か一つを望めば、何かを失う場合も転職では多いです。
給料が上がる分仕事はきつくなったり、逆に仕事の負担が減った分給料は下がってしまったりといったことが起こりえます。
そういった中で、仕事を辞めたことを後悔する人というのは以下の特徴を持っている場合が多いです。
- 転職の良い面ばかりを見て、悪化する部分を軽視している
- 自分のことを客観視できていない
- 転職に非現実的な理想を抱いている
- 危機感がなく、根拠のない自信を持っている
転職する際によく仕事を選び、ブラック企業を避けるのは当然のこと。ただホワイト企業と言われる企業に転職しても後悔する人も上記のことが原因で多くなっています。
後悔しない為にすべき準備や持つべき心構え
残念ながら、転職を絶対に成功させることはできません。誰にでも後悔する可能性というのは少なからずあるのは事実です。
ただその可能性をできるだけ下げるようにしっかり準備をしていかなくてはなりません。
退職は転職先を決めてから
転職活動を在職中に行うメリットは、収入を途切れさせないことだけではありません。
仕事を辞めること自体を辞めるという選択を持てる、自分が納得いくまで転職活動を行うことができるなど、辞めたことを後悔するリスクを考えた時には必ず重要になってくるメリットが多数あります。
現在の仕事と転職先の仕事を客観的に比較
転職活動を進めて内定を貰った時、ようやく受かったということに舞い上がってしまいすぐに転職することを決めてしまいがちですが、絶対に焦らないでください。
内定を貰った時点で、現在の仕事と転職先の仕事に関して、あらゆる点を比較してみるようにしてください。不明点は転職先に聞いてもいいんです。
良い面、悪い面様々なことを感情にまかせずにできるだけ客観的に比較した上で、本当に仕事を辞めるのかを判断しなくてはなりません。
転職せずに改善する可能性の模索
転職活動を始めた時、内定を貰った時、それぞれにおいて転職しないという選択は必ず持ち、転職せずに改善する可能性を模索するようにしてください。
転職を意識すると、どうしても転職すること自体を魅力と感じてしまい本質が見えなくなってしまいますから、あえて転職しないということを意識する必要があります。
どうにもこうにも改善しようがないと自分の中で納得いったのであればいいのですが、もしそこができていない場合は仕事を辞めた後でああすれば良かったと思うようになってしまうでしょう。
仕事の適正に関する自分と他者による意見
仕事を辞める理由が仕事内容によるものである場合にしろ、そうではない場合にしろ、仕事の適正については考えておかなくてはなりません。
たとえ条件が良くても適正のない仕事をするというのは本当に辛いことです。
仕事の適正を考える時には、自分としてどう考えるかとともに、他者がどう考えるかも大切になります。
自分として、やりがいを感じることができるのか、得意なことなのかといった点を判断するとともに、身近な人間にどういったことが得意でどういったことを苦手としているのかを教えてもらってみてください。
辞めることを決心するまでに考える時間をしっかり持つ
仕事を辞めると最終的に決心するまでに、必ず意識的にしっかり考える時間を持つようにしてください。
良い会社があったら転職しようと思って転職活動を始めたら、内定を貰えたので転職することに決めた。これでは辞めることについてじっくり考える時間がありません。
転職することを考える時は得られるものばかりを考えます。仕事を辞めるということを考えた時にこそ失うものについて考えに至るのです。
辞めた後に前の会社の人との関係を断つ覚悟
せっかく仲良くなった人がいたのに、仕事を辞めてそれっきりは寂しいと思う人も多いかもしれません。
ただ、仕事を辞めた後にいつまでも連絡をとっていると前職の話を聞いて過去を振り返る機会が生まれ羨ましくもなってしまいます。
自分がいた頃はあれほど不満に感じていたことでも、いざ自分が離れて他の人から話を聞くととても魅力的に映ってしまうものなのです。
ですから、仕事を辞めたならきっぱり関係をきっておいたほうが後悔につながる可能性は低くなると言えるでしょう。
過去の栄光、経験、価値観を引きずらない
仕事を辞めてしまえば、それまでどれだけ実績を残していたとしても、どんな経験をしてきたとしても、それが同様に引き継がれるわけではありません。
もちろんあなたの中でなくなるものではありません。ただ実績を残してきたことが次の会社で役には立ちませんし、経験や価値観は時に新たな仕事をじゃなすることになってしまう場合もあります。
にも関わらずいつまでも引きずっていれば、考えていた通りにいかないもどかしさによって、前の方が良かったと思うようになっていってしまいます。
これまで築きあげたものにいつまでもすがっていたいなら仕事は辞めるべきではありません。引きずらない覚悟を持たなければ仕事を辞めて後悔する可能性は非常に高くなるでしょう。
寂しさを受け入れる覚悟を持つ
それまで働いてきた環境から離れるということに多かれ少なかれ寂しさは抱くようになります。それは仕方のないことです。
ただその寂しさを受け入れる覚悟を持っておき、前の会社のほうが良かったという感情とは違うということを知っておいてください。
寂しさを感じるとつい前の会社の良さが際立って見えるようになります。そんな時に後悔に繋げない為にもあらかじめ準備しておくのです。
後悔しない為には事前の準備が大切
勢いで仕事を辞めて後悔する人というのは本当に多いです。
転職することと仕事を辞めることというのは近いようで実は違います。
転職活動に力を注ぎ徹底的に業界、会社、仕事について調べる人は多いですが、仕事を辞めることに対してはおろそかになってしまう人が非常に多く、それが後悔につながっていきます。
転職同様、仕事を辞めるということに対してしっかり準備をし心構えを持っておくようにしてください。