新卒入社1年目で仕事を辞めたい。その理由や第二新卒として転職する是非、成功と失敗を分けるもの。

せっかく就職した会社であっても、自分が希望していたように働くことができている人は少ないと思います。

想像していた仕事と全然違う、思った以上に残業が多すぎる、人間関係が上手くいかないなど様々なことに不満を感じることは多く、働くことが苦痛で仕方がなくなってしまっているという人はかなり多いのではないでしょうか。

そういった状況でも現実を受け入れて働く人もいますが、どうしても受け入れることができずに1年目にも関わらず辞めることを考えてしまうということは決して珍しいことではありません

入社したばかりだけど仕事を辞めたい!

入社してたった1年もたたずに仕事を辞めるというのは世間的に見るとあまり良くないことであるという考えが多いのですが、世間がどう考えようが現実として辛いと感じている中で仕事を辞めたいという気持ちはそう簡単に割り切れるものではありません。

新卒入社1年目でも仕事を辞める人はかなり多い

実際に新卒入社1年目でも仕事を辞める人というのはかなり多くなっています。

厚生労働省の新規学卒者の離職状況に関する資料一覧によると、各学歴別の1年以内離職率は以下の通りとなっています。

中学卒 高校卒 短大卒 大学卒
離職率 41.5% 18.1% 17.9% 11.8%

大学卒の人ですら1割以上の人が就職した会社を辞めています。

この数字からもたった1年で仕事を辞めるというのが決して珍しいことではないということがわかります。

仕事を辞める理由

新卒入社1年目で仕事を辞める理由として多いのが以下のこと。

  • 仕事のミスマッチ
  • 人間関係が上手くいかない
  • 給料への不満
  • 休日数への不満
  • 残業時間への不満
  • 将来に対する不安

仕事のミスマッチ

新入社員が希望としている仕事と実際に仕事へのミスマッチが起きてしまうことは多々あり、それが1年以内に仕事を辞める大きな原因となっています。

その原因はイメージとのギャップによるものであったり、配属部署と希望部署の不一致といったものが挙げられます。

企業もそれについて対策を行い、インターンシップを行ったり就職活動時点で部署を決めたりもしているのですが、それだけで完全に対策はできておらず、どうしてもミスマッチが起きてしまっています。

仕事のミスマッチによる退職に関してはよく甘えだと言われてしまうことがありますし、転職しても結局同じことだという意見があります。

ただ、転職して改善する人が多いという結果を見れば、単に甘えで片づけることができるわけではないということが言えると思います。

人間関係が上手くいかない

人間関係はいつもサラリーマンを悩ませる問題です。

その中でも新入社員は特に人間関係によって影響をもろに受ける立場であり、上手くいかないことがそのまま会社生活への不満に直結してしまいます。

まだ仕事ができない新入社員にとって周囲の先輩、上司というのは会社生活を送る、成長していくという点で非常に重要な役割を果たすものであり、その関係性次第で将来的なことが大きく異なっていきます。

自分から工夫して人間関係を構築していくということも確かに必要なことですが、必ずしもそれだけでなんとかなるというわけではなく、仕方がない場合というのもやはりあるものです。

給料への不満

入社時点では会社によってそこまで給料が変わりませんし、最初の1年目は給料も上がらないので給料に対する不満というのはもっと年齢が高い人に比べて低い傾向にあります。

ただ、入社後にその後の昇給が全然ないことに気づいたり、ボーナスが想像以上に少ないという点に気づいてしまい転職をする人というのは多いですね。

会社の昇給制度が悪ければいくら努力しようとも年収アップを望むことができません。それ故に転職を考えるというのは当然のことと言えるかもしれません。

休日数への不満

恵まれている会社であれば年間休日が120日以上、有給休暇取得率100%といった場合もありますが、中には年間休日100日未満、有給休暇はほぼ取得できないという会社もあります。

有給休暇はまだしも年間休日というのは就職時点でわかっていることなのですが、これを理由に仕事を辞める人も少なくはありません。

それまで実際に働いていない人にとって週に2日休めない、祝日に休みがないということの辛さをわかっていない場合も多く、実際に働き出して不満を感じる場合が多いように思います。

残業時間への不満

残業したくない、仕事以外の時間を大切にしたいという人にとって、残業が30時間も40時間もあると不満を感じてしまうのは仕方ありません。

中には1年目から60時間以上、下手したら100時間以上をさせられている人もおり、体力面、精神面で限界を感じている人は少なくないでしょう。

残業時間に関してはたかがこれぐらいでと言われることもあるかもしれませんが、適切な時間と言うのは人それぞれ。

正社員なら40時間も50時間も残業することが当たり前なんてことは思わないほうが良いと思います。

将来への不安

働き出してしばらくたつと将来のことを色々と考える機会は増え、それによって不安になる人は多いと思います。

仕事の面で言えば、こんな仕事をしていて成長できるのだろうか、同期に比べて不遇の扱いを受けていて差がついてしまうといったことで不安を感じたり、

会社に対してであれば、経営的に大丈夫なのだろうか、10年後にはなくなっているのではないかという不安を感じたり。

そういった不安によってできるだけ仕事を早く変えておきたいという人というのは1年目の人であっても意外に多いです。

第二新卒として転職する場合、1年以内での転職はどう影響するか

第二新卒として転職する場合、1年以内での転職はどう影響するか

1年以内に転職するとなった場合、転職活動では第二新卒として転職することになります。

第二新卒として転職するのであれば、どれだけ働いたかというのはあまり関係ないだろうと思うかもしれませんが、会社によっては差がある場合もあるので確認しておいてください。

1ヶ月以内

入社して3日で辞めたという人などもたまに見かけますが、1ヶ月以内に仕事を辞めたという実績はやはりあまり良いものではありません。

第二新卒としての転職ではビジネスマナーが身についているといった点を企業がメリットと感じていますが1ヶ月以内に辞めてしまうとそのビジネスマナーが身についていないと判断される場合が多くなってしまいます。

ただ秋採用枠に応募することが可能です。

秋採用枠では新卒だけではなく一度社会人を経験した人であっても応募することが可能となっている場合も多く、選考自体も4月から6月に行われることが多いのでチャレンジすることが可能となります。

3ヶ月以内

3ヶ月以内であれば一定のビジネスマナーは身についたと判断される場合も増えてきて第二新卒として転職することが可能になってきます。

ただ、企業側からはまだ不十分、辞めるのが早すぎると思われてしまうことがないわけではありません。

転職活動としては随時募集のある第二新卒としての転職活動を行いながら、秋採用枠も狙っていくというのがいいと思います。

半年以内

半年程度たてば、そこそこ経験ありとみなされ、対象となる人も多いので企業側は積極的に採用を行っています。

第二新卒は3年以内が対象となっているので2年目、3年目の人達がライバルとなりますが、経験の低さで不利になる一方、企業に染まっていないという点で有利になる場合もあり、それは企業次第です。

1年以内

1年以内に転職する場合に知っておいてもらいたいのが、企業によっては第二新卒者の採用時に2年目以降の人を対象としているという場合がある点です。

特に大手企業ではそのような制限を加えている場合があります。

もう少しで1年たつという場合には、一度希望の企業について第二新卒枠の条件を調べておくことをおすすめします。

社会人として1年も働いていないのに転職することの是非

社会人として1年も働いていないのに転職することの是非

社会人として1年も働いていないの転職することは甘えだ、逃げだ、世間ではそういった風潮がいまだに残っています。

そこで転職することの是非について考えてみましょう。

転職できる環境は整っている

最近は第二新卒者の需要が非常に伸びており、全企業の6割以上が積極的に採用活動を行っています。

また、第二新卒として転職するわけではなくても新卒採用時の門戸を広げ社会人経験があろうがなかろうが卒業後3年以内の人を対象に採用活動を行っているという企業は多くなっています。

要するに転職できる環境は整っており、入社1年以内に辞めたらまともな転職ができないというのは間違った意見であると言えます。

大手企業に入社できる可能性

転職できるとは言ってもどうせ中小企業や人気のない企業だけだろうと思う人もいるかもしれませんが、就活市場においても人気のある企業であっても積極的に採用すると明言している企業が増えています。

離職率が低い企業であっても採用は行われています。

第二新卒の採用活動は単に辞めた人材を補てんするということだけではなく、違う業界や職種を経験した人を採用したい一度失敗した経験を持っている人材を採用したいといったことも考えられるようになってきているのです。

1年未満と1年以上の違い

1年未満と1年以上では場合によって状況が変わってきます。

先ほども少し紹介しましたが、第二新卒としての転職であっても1年以上の社会人経験を有していることを条件と課している会社がある為、入社1年目では応募資格に満たない場合があります

転職活動自体は1年目で始めてもいいですが、選択肢を最大限に増やそうと思ったら1年間は働いた後にしたほうが良いという結果になります。

成功と失敗の可能性

世間的には1年も立たずに会社を辞めて転職することに対して否定的な意見も多く、転職は失敗に終わる意見が多いですが、実態としては全くそんなことがありません。

もちろん転職したことを後悔し失敗と位置付ける人がいるのは多いですが、割合的には転職して良かったと成功に位置付ける人の方が多く、たとえ1年未満であっても成功に終わる可能性が高いといえます。

ただ、入社して1年未満ということにより会社についても仕事についてもまだ良く理解できていないという可能性に関して言えば他の年齢よりも高い為、後悔につながる可能性は高くはなってしまうというのは事実ですから、転職時には転職理由と現状把握をよく考えるというのは重要なことになります。

転職しないリスク

転職に関して物事を考える時、つい転職のリスクばかりを考えてしまいがちです。

ただリスクは転職しないという選択をした場合にもあることは忘れてはいけません。

1年目で転職しないという選択をしても2年目、3年目で第二新卒として転職することは可能ですが、どうせ転職して職種を変えるならさっさと転職してしまった方が仕事を覚えるのは早いでしょうし、退職金を考えてもできるだけ早く転職したほうが得です。

万が一転職をずるずる先延ばしにして第二新卒として転職できなかった場合にはさらに機会損失になってしまう可能性が高くなります。

職種変更のしやすさ、企業規模の変えやすさという点では第二新卒のほうが優れている部分が多く、機械を逃すことによって希望通りの仕事ができなくなってしまう可能性があります。

新卒1年目での転職で成功と失敗を分けるもの

新卒1年目での転職で成功と失敗を分けるもの

では、ここからは新卒1年目で転職する際に成功と失敗を分けるポイントについて紹介していきます。

先走って退職することを避ける

パワハラや過剰なサービス残業などで精神的に、肉体的に追い込まれているような状況ですぐにでも退職しなくてはならないという状態でない限りは、先走って退職することは避けるようにしてください。

転職活動は思った通りに進んでくれる場合もあれば、なかなか思い通りには行ってくれない場合もあります。

そこには実力だけではなく、運やタイミングも関わってくるので転職までに焦るような原因をつくるのは得策とは言えません。

自分に合った企業を妥協することなく選ぶ為にも、余裕を持った転職活動をすることできるような環境zにしておきましょう。

会社特有の問題か、社会人に共通したことを見極める

不満に感じてしまっていることの中には、就職した会社に原因がある場合と、社会人として共通していることで働くならそれくらいは我慢しなくてはならないという点があります。

どの会社に入ってもあるようなことは転職しても解決することができませんから、何とかして受け入れる必要があります。

逆に会社特有の問題であれば解決すること可能。ただそれを仕方のないことだと間違った判断をしてしまうとせっかくの転職のチャンスを潰してしまうことになりかねません。

転職したって一緒だとう、どこの会社にいっても同じだろうという間違った考え方を抱いている人実際に非常に多く、せっかく転職すれば解決できるにも関わらず我慢するだけになってしまうという人は少なくありません。

転職方法は一つの手段に縛らない

新卒入社1年目で転職しようとした場合、転職する主だ手段としては転職サイトや転職エージェント、ハローワークといったものから、新卒採用向けの求人に応募するという手段もあります。

これから転職しようと考えている場合には、これらの手段に対して1つだけに縛らずにまずは複数に手段を使うようにしてください。

最終的には自分に合った転職ができるものにすれいいのですが、最初から絞ってしまうのは単に選択肢を狭めてしまうだけです。

転職を焦らない

転職活動で大切なのはとにかく焦らないこと。

仕事に対する不満が多く、辞めたいという気持ちが強くなってしまえばしまうほどに、早く転職したいという気持ち強くなってしまいます。

ただその気持ちは転職失敗へと導く大きな原因となるものであり、極力その気持は持たないようにしなくてはなりません。

転職エージェントを利用する

1年目で転職する場合には転職エージェントを利用するようにしましょう。

転職エージェントを利用すれば転職ノウハウをしっかり教えてくれますし、企業への交渉や聞き込みといったことまで行ってくれます。

大手の転職エージェントでは第二新卒向けの求人も多いのでかなり重宝されますし、最近では第二新卒や既卒といった若年者のみを対象としたエージェント会社もあるので、色々試してみて自分に合うものを使ってください。