就職して1年も過ぎれば徐々に仕事がわかってくる半面、ネガティブな面もより一層目立つようになってきます。
その結果、仕事を楽しめる人と不満を抱えている人の差は非常に大きくなってきて、仕事を辞めたい、転職したいと思う人も増えてくる時期です。
ただ2年目で仕事を辞める、転職するということに対してあまり良くないイメージを持ってしまっていて、なかなか踏む出すことができないという人も多いのではないでしょうか。
しかし実際には2年目での転職は恵まれている部分も多く、不満を抱えているなら一度はチャレンジしてみる価値があるものです。
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新卒2年目になると仕事を辞めたいという感情は増えてくる
2年目になったからこその悩みというのは実際に多く、離職率自体も非常に高くなっています。
入社2年目での離職率
厚生労働省の新規学卒者の離職状況に関する資料一覧によると、各学歴別の離職率は以下の通りとなっています。
中学卒 | 高校卒 | 短大卒 | 大学卒 | |
1年以内離職率 | 41.5% | 18.1% | 17.9% | 11.8% |
2年以内離職率 | 59.2% | 31.4% | 30.2% | 22.8% |
入社2年以内に会社を辞める人は大卒でも2割以上いて、1年が過ぎ2年目で辞める人が1割以上を占めています。
この数字だけ見ても仕事を辞めるというのは非常に一般的なことであることがわかります。
2年目で辞めると言うと珍しいことかのように捉える人もいるかもしれませんが、決してそんなことはないのです。
2年目で仕事を辞めたいと思う理由
新卒で入社した会社を2年目で辞める理由として多いのが以下の理由です。
- 仕事に対する不満
- 周囲との差
- 人間関係が上手くいかない
- 給料への不満
- 休日数、残業時間への不満
- 将来への不満
仕事に対する不満
1年目の時点で、イメージとのギャップが大きかった、希望の部署に配属されなかったなど仕事に対して不満を感じている人は多いです。
ただ1年目ではまだわからない部分も多く、とりあえずやってみよう、仕事を覚えれば変わってくるかもしれないといった若干の希望を残して仕事を続けている人もいます。
ただ就職して1年たち2年目になった時点で変わらない現状、より色濃くなる仕事に対する不満を感じる人は少なくはなく、退職に踏み切ります。
周囲との差
ただ仕事を覚えることに集中してきた1年目から2年目になると、周囲との差が明確になっていく時期でもあります。
同期に比べて勝っているという人はいいのですが、劣っていると感じている場合はかなり辛いものがあり、しかも周囲からの風当たりが強くなってしまう可能性もあります。
この場合、自分はもっと違う場でなら活躍できるはずと考えるようになり退職するきっかけになったりもします。
人間関係が上手く行かない
人間関係はどの年代においても仕事を辞めたいと思う理由で上位にいます。
2年目の場合、1年目の頃に比べて風当りが強くなってきたり、様々なきっかけで上司や先輩との関係が悪くなってしまったりすることで人間関係の悪化を招くことが多々あります。
まだある程度働いて十分に慣れている環境でならまだしも、2年目という年次では上司や先輩との関係悪化が会社を過ごす上で致命的なものになってしまうことも多く、大きなストレスを感じることになります。
給料への不満
2年目になっても昇給が全くなく、ボーナスもほんのわずかしかでないという現状に不満を感じる人は多いでしょう。
しかも住民税がかかるようになって手取りは減ってしまうことによって不満はより強いものになってしまいます。
2年目になると将来的な給料に関しても先輩などから知る機会もあり、給料面で希望が持てなくなってしまったというのも退職につながる理由として挙げられます。
休日数、残業時間への不満
休日が周囲に比べて少ない、残業が多いというのは転職する理由としてよくある理由です。
1年目はなんとか頑張ってきても、休日も少なく残業も多い結果プライベートを犠牲にする働き方をすることに疲れてしまい限界がきて退職するという人は実際に多いです。
休日は会社によって大きく違い、良い会社であれば土日に加えて祝日も全て休み、大型連休もあるというような年間休日120日以上ある会社もあれば、祝日は休みではない、週に1回しか休みがないという会社もあります。
残業は多い場合だと毎月45時間以上、下手したら80時間以上を当たり前にさせられている人もいます。そうなるとかなり体はしんどく、本当に仕事しかできないという状態に陥ってしまいもう限界と思ってしまう人は少なくありません。
将来への不安
就職して1年過ぎると将来のことをよく考えるようになり、それによって不安は強くなってきます。
今の仕事を続けていいのだろうか、自分は成長していけるのだろうか、会社はずっと続いていくのだろうか、今の給料のままで結婚できるのだろうかなど、色々なことを考えるようになってくるでしょう。
将来に対する不安は同じ会社で働く続けていても解消することができないので、転職という道を選ぶ人はすくなくありません。
2年目で第二新卒として転職活動を行っておくべき理由
このように実際に入社2年目で仕事を辞める人は非常に多いのですが、仕事を辞めたいと思っている人のうち実際に辞めることができたのは一部の人であり、大半の人は辞めるに辞められず悶々と日々を過ごしているかと思います。
そういう人は一度転職活動を行ってみて下さい。
転職活動にリスクはない
転職することを中々決断することができない大きな原因として、転職によるリスクを懸念しているという人が多いかと思います。
確かに転職は誰もが成功することができるというものではなく、後悔する人もいるリスクのある行為であることは間違いありません。
ただ、転職活動をすること自体には一切リスクはありません。
まずは転職活動をしてみて内定を貰ってから転職するかどうか判断することができます。
企業は第二新卒の採用に積極的、大手企業に転職できる可能性も高い
現在は若手の人材不足や入社3年以内に離職した人のポテンシャルの高さが見直されるようになったということが原因で多くの企業が第二新卒の採用に積極的になっています。
以前は単に退職者の補てんという意味合いで行われていたに過ぎなかったものが、離職率の低い大手企業でも採用人数を増やしており、転職自体のハードルはかなり下がっています。
就活で失敗としたという人にとってもその失敗を取り戻すチャンスとなっており、やってみる価値は十分にあります。
未経験職種に転職する難易度が低い
第二新卒の転職が他の転職に比べて優れているのが、未経験職種に転職する難易度が低いという点です。
第二新卒として転職する場合に求められるのはその職種に対する経験やスキルを保有していることではなく、職種を変更することが一般的です。
年齢が高くなってくると経験やスキルを重視するように見られるので、未経験の職種に転職しようと思ったら年収面などで妥協しなくてはならなくなってしまいます。
希望の仕事に就くことができなかった、他の職種をやりたいという人には職種を変える大きなチャンスです。
甘え、逃げ、忍耐力がないと考えられていたのは昔のこと
一昔前までは入社して2年も立たずに仕事を辞めるということに対して、甘え、逃げ、忍耐力がないと考えられていたものの、最近ではそういった考え方がなくなっています。
一度も働いた経験がない中で完璧な判断を下すのは難しい、世間には辞めざるを得ないブラック企業も多数存在しているという観点から、入社3年以内に仕事を辞める人に対して非常に優しい環境が整ってきました。
企業にとって社会人2年目の人材を確保するメリット、デメリット
ではここで一旦、企業が社会人2年目の人材を確保することのメリット、デメリットを見ていきましょう。
採用を積極的に行っているように基本的にはメリットが大きいと考えている場合が多いです。
若手人材の確保できる
今は人材不足が本当に顕著になっており、危機感を感じている企業は非常に多数あります。
その中でも若手の人材不足に関して悩んでいます。
第二新卒を採用するのは若手の人材を確保するという点が挙げられます。
入社3年以内に会社を辞める人というのは非常に多く、実は人材の宝庫となっているので若手の人材を確保しやすいのです。
他業種、他職種を経験したことがある人材を確保できる
離職率の低い大手企業では就活でも人気があるので特に若手の人材確保が難しくはないように考えられますが、それでも第二新卒の採用活動を積極的に行っている企業は少なくありません。
その主な理由が一度他の業種や他の職種を経験したことがある人材を確保することができるという点です。
違うことを経験したことがあるというのは非常に大きなメリットであり、その点に魅力を感じている企業が実は多数あるのです。
ビジネスマナーの備わった人材を確保できる
新卒で就職する人と違って第二新卒者というのは一度社会人を経験しています。
そのことによって社会人として必要なビジネスマナーが備わっているという優位性があります。
これによって企業は初期の教育に時間や費用をかけなくてよくなるというメリットがあり、その点から第二新卒を積極的に採用する企業も多数あります。
すぐに辞められてしまう場合がある
もちろん企業もデメリットがないとは思っていません。
企業にとって一番のデメリットはすぐに辞めてしまう可能性が高いという点です。
一度辞めた経験がある人の中には辞め癖がついてしまっている場合もある為、長続きしない可能性があるということを企業は懸念点としてあげています。
それ故に転職活動時の選考では熱意やモチベーションが高いか、長続きしそうな人材かということをよく見られます。
入社2年目で転職し失敗することのリスク
では次に入社2年目で転職して失敗することのリスクについて考えてみましょう。
失敗のリスクはないわけではない
当たり前のことですが、転職したことが失敗に終わるというのも実際にあることで、全くリスクが高いというものではありません。
仕事がもっと面白くなくなった、残業が増えてしまった、転職先での人間関係が上手くいかなかったなど、失敗の可能性は確かに存在しています。
ただ失敗の可能性はゼロにすることはできないものの、転職活動のやり方次第で下げることができます。
転職が失敗に終わってしまう理由
特に転職活動で以下のことをしてしまっていると失敗するリスクは高くなってしまいます。
会社の見極めが十分にできていない
2年目の人が転職すると、前の会社のほうが良かったと思ってしまうことも少なくありません。
その原因は会社の見極めが十分にできていないという点が挙げられます。
不満に感じていることが世間的に見ればどうなのか、良い点はどこなのか、まずはそこをよく理解した上で実際に内定を貰った企業としっかり比較してみなくてはなりません。
会社を辞めることが目的になってしまっている
仕事を辞めたいと思うと、転職してより良い環境を手に入れることよりもとにかく会社を辞めることが目的になってしまう人は少なくありません。
会社を辞めることを目的にしてしまうと転職先を選ぶ際に妥協してしまうことにつながり、いざ転職してみると選択のミスに気付いてしまうのです。
現実を直視できていない
会社に属して働く以上は我慢しなくてはいけないこともあります。全てが理想通りなんてことはありませんから現実を直視し、受け入れることも必要になってきます。
年齢が高くなってくると色々なことが受け入れようになっていくのですが、入社2年目だとまだその現実を直視できてなく、ありもしない幻想を抱いてしなっている人も多いです。
逆に年齢が高くなってくると受け入れることが多すぎて本当は転職によって改善できる可能性がってもやる前から諦めてしまうという場合があり、それはそれでだめなんですが、理想ばかりを追い求めすぎるというのも良いことではありません。
入社2年目での第二新卒の転職を成功させる為の方法
ここからは、入社2年目で転職活動を行っていこうと考えている人向けに第2新卒の転職を成功させる方法について紹介していきます。
焦りは厳禁。納得の行く転職活動を行う
転職活動において焦りというのは冷静な判断ができなくなってしまう原因にもなりますから、とにかく焦らないように行っていきましょう。
その為に、滅多なことがない限りは会社を辞めずに転職活動を行う、期限を定めずに納得いくまで継続するということが重要です。
これまでの社会人経験で身につけたものを整理する
せっかく1年は社会人として働いてきたという実績があるわけですから、転職活動ではそこを生かしてアピールしていく必要があります。
第二新卒としての転職は職種での経験やスキルと言ったもの重視されませんが、代わりにビジネスマナーや仕事の進め方おいう点で優れています、
まずはこれまでの社会人経験で得たものについてじっくり考えていきましょう。
辞めることになった反省点を振り返る
転職前の会社を辞めることになったなら、その辞めた事実に関して自分の中で反省もするようにしましょう。
単に会社のせいだ、会社が悪いと決めつけていてはだめで、自分の悪かった点はどこかということをしっかり確認することによってこれから行う転職活動で成功できる可能性が高くなります。
転職エージェントを利用する
第2新卒として転職する場合には転職エージェントを利用するようにしましょう。
転職活動を行う際に一人で全部やろうなんてことはしないでください。一人でやることにこだわると、手間ばかりが増えてしまうとともに間違ったノウハウをもとに転職活動を行って時間ばかり消費してしまいます。
転職エージェントを利用すれば転職ノウハウをしっかり教えてくれますし、企業への交渉や聞き込みといったことまで行ってくれます。
大手の転職エージェントでは第二新卒向けの求人も多いのでかなり重宝されますし、最近では第二新卒や既卒といった若年者のみを対象としたエージェント会社もあるので、色々試してみて自分に合うものを使ってください。