ブラック企業の特徴や見分け方、転職前にしっかり見極める必要あり。

誰もが働きたくないブラック企業ですが、残念なことに知らず知らずにブラック企業に就職、転職してしまう人もかなりの人数います。

それほどブラック企業がこの世の中に多いという悲しい事実があるわけですが、とにかく他人事だとばかり考えていてはいざ自分がその環境で働かざるをえない日が来てしまうかもしれません。

そこで今回はブラック企業の特徴や見分け方について紹介していきます。これから就職、転職を考えている人は参考にしてみてください。

ブラック企業の特徴

ブラック企業という言葉はかなり世間に浸透しており、その名を知らない人はほとんどいないでしょう。

定義として決められたものがあるわけではありませんが、過重労働、違法労働を労働者に強いる企業のことを指す言葉です。

ブラック企業には以下の特徴があります。

残業

残業時間が月間80時間を超えると過労死の危険性はかなり高くなります。その為、まともな企業であれば月80時間を超す残業を何か月も連続でさせるなんてことはしません。

しかしブラック企業はそんなことおかまいなし。残業80時間どころか100時間越え、ひどければ150時間超えなんていうのが毎月繰り返されている場合もあります。

睡眠時間は減り、ストレスを解消することもできずに心身ともにボロボロになっていきます。

さらに最悪なのがその残業時間に対して残業代が全然支払われずサービス残業になってしまっているという場合。

固定残業代なんていいながら100時間以上の残業をさせているのに10時間分の残業しか支払ってくれないだとか、そもそも残業代なんて1円すら支払われたことがないなんて会社もあるみたいです。

休日

労働基準法のルールとして最低限1週間に1日もしくは4週間に4日休みとればいいとなっていますが、それはあくまで最低限の数字であり普通の企業はそれ以上に休日を設定しています。

しかしブラック企業ではそれすら守られない場合も多々あります。

休日数は会社によって全然違います。基本的には120日以上あるとかなり優良、105日以上なら普通といったところでしょう。

ブラック企業でも会社休日は105日以上に設定している会社も少なくありません。それ以上少なくしてしまえば人もあつまりませんから。

ところが実際は休日出勤のオンパレードであり、休みが全然ないというのが実際のところ。人によっては2ヶ月以上休みがないなんて人もいるみたいです。

有給休暇は当然とることなんてできません。結婚式や葬式であってもとることができなかったり、高熱がでても休みをとることが許可されず、万が一休んでしまったら有休はたくさんあまってるのに欠勤扱いで給料は減らされるなんてひどい目にあった人もいます。

給料

社員のことをろくに考えてもいない会社ですから、当然給料は低い場合がほとんど。

いくら会社に利益がでようがそれは経営者の懐に入るだけで社員に還元されることはありません。

昇給なんてほんのわずかしかなく30代で手取り20万円以下なんて当然、ひどい会社であれば15万円以下なんて場合も。残業代もでないので給料が増えることはなく、時給を計算してみると最低賃金以下になってしまうなんて人も多いでしょう。

パワハラ、セクハラ

通常の企業であれば、会社の評判や社員の働きやすさにも関係してくるパワハラやセクハラを起きないようにするのが普通。しかし、そういったものも当たり前のように行われている企業がたくさんあります。

上司の立場を利用して普通に考えておかしいと思う行為を平然と行う。そんな人もいるのが現実。

パワハラに関して言うと精神的なダメージを与える暴言だけではなく、実際に暴力行為に及ぶなんて上司もいます。そして会社はそれに対して何も対策をしようとしません。

それどころかそれは教育として当然のものなんて考えが浸透している場合もあります。

脅し

社員が会社を辞めようとした場合に、辞めたら損害が出るから損害賠償を請求するだのなんだの脅しをかけて辞めさせないようにするというのもブラック企業によくある特徴の一つです。

脅しのやり方としては損害賠償請求だけではなく、様々な状況、様々な場面でしてくる場合もあり、労働者を追い込んでいきます。

休憩時間

労働基準法では休憩時間が6時間から8時間未満までが最低45分、8時間以上の場合は最低1時間とらなくてはならないと決められています。

まあブラック企業だとそんな休憩時間のルールなんて完全に無視ですよね。昼食をとりながらも仕事で1時間まるまるゆっくり過ごすことができるなんてことはほぼありえません。

人間関係

どんな企業だって上下関係はあり、上司の指示には基本的に従わなくてはなりません。

ただブラック企業ではそれが特に顕著であり、とにかく上司が絶対。口答えなんてもっての他だしちょっとした意見をいうことすら許されません。

離職率

まあこんな会社で会社側も社員のことを単に使い捨てとしか思っていないので、当然辞める人は大量に発生します。

給料は低いけど仕事はきつくて労働時間も長いとなれば、長くは続けることができません。

中には体を壊してしまって退職するなんて人も少なくはないです。

ブラック企業の多い業界

ブラック企業の多い業界

こんな特徴を持ったブラック企業ですが業界によってブラック企業が多かったり少なかったりもします。

一般的にブラック企業の多い業界としてよく挙げられるのは、

  • 飲食
  • 宿泊、ホテル
  • 介護
  • IT
  • 建築
  • 広告
  • アパレル

といったところです。これらの業種であっても全部がそういうわけではなくホワイト企業も存在します。

ただ確率としては他の業界よりも多い傾向があります。

薄利の商売である故に給料は低く過重労働になってしまいがちであったり、業界全体の風習として厳しい労働環境が根強かったりと理由は様々ですが、これらの業界に就職、転職する場合には特に注意して企業選びをする必要がありますね。

なぜブラック企業に入社してしまう人が後をたたないか

なぜブラック企業に入社してしまう人が後をたたないか

ブラック企業なんていうのは誰だって避けたいと考えているものです。しかし残念なことにブラック企業に入社してしまう人は後をたちません。

そして企業側も人が集まるので結局今までどおりのやり方を続けていくことになってしまっています。

誤ってブラック企業に就職、転職してしまう理由としては以下の2つが考えられます。

  • ブラック企業からしか採用してもらえなかった
  • 入社前にブラック企業を見抜けなかった

現在の超売り手市場の状況下においても、正社員の有効求人倍率は0.9倍程度と1倍にいっていません。すなわち正社員になりたくてもなれない人は数多くいるわけで、どうしても仕事が見つからずに条件のとても悪いブラック企業であっても生活する為には仕方ないと割り切らざるをえない人もいます。

ただ最も多いのは知らず知らずにブラック企業に入社してしまうというパターン。インターネットなどで企業の口コミ等を見ることができるとは言え載っているのはそれなりの大手企業に限られていますし、なかなか情報収集をすることができません。

企業は企業で求人票に嘘の情報を書いてあの手この手でなんとかして人を集めようとします。

結果、企業の実情がよくわからないままに入社してしまい痛い目を見る人が非常に多くなっています。

ブラック企業の見分け方

ブラック企業の見分け方

ブラック企業で働くことを避けようと思ったら、入社前に何とか見分けることが特に重要となります。

ただ求人票を見て決めていては入社後に後悔してしまう可能性が非常に高くなってしまいます。

完璧に見分けるということはなかなかできないかもしれませんが、ある程度までの見極めは十分に可能であり、就職、転職活動時にしっかり行うようにしてください。

アットホームな会社などをアピールしている

求人票でやたらと職場の雰囲気をアピールしてきたり、夢や成長などといった具体性はあまりないけどとりあえずポジティブなことを謳っている会社は要注意

求める人材像などを書き来てほしい人材をアピールするのではなく、とにかく誰でもいいから入社してほしいという思いを持っているブラック企業にありがちなパターンです。

やたらと高年収

年収300万円から1000万円のように年収の上限が高かったり、成果主義の歩合制で最大月収100万円以上といったように会社規模や経営状態などから比べてやたらと高年収を謳っている会社も注意が必要です。

ほぼその上限の年収は貰えることができませんし、それどころか最低レベルの賃金しか貰えないという場合も多いです。

高年収を謳えば入社希望者は集まります。その為ありもしない条件を書くブラック企業は少なくありません。

労働組合

労働組合はあるにこしたことはありません。会社が労働者に対して適切な労働条件の下で働かせているかを監視するのが労働組合であり、ない場合は監視するものがなくなりわけのわからない働き方を強いられることになる可能性が高くなります。

労働組合があってもあまり機能していない場合もあるのであれば良いというわけではありませんが、ないよりはあるほうがブラック企業である可能性は低くなります。

会社のコンプライアンスに対する考え

会社の行っている商品、サービスなどが法律すれすれの行為であったり、よくよく考えると違反しているんではないかというような会社というのは会社の利益第一を考えるとともに法律に対する考え方が甘い可能性があります。

そういった会社は社員に対しても法律を守る意識が低い場合があるので注意が必要です。

掲示板

現在は企業の口コミサイトなどもあって以前に比べて情報収集が非常に簡単になっています。

掲載されている企業はそれなりの大手企業に限られるものの、一応チェックするようにしてください。

ただ中には嘘の情報が書かれている場合もあるのであまり鵜呑みにしすぎてはいけません。

就職四季報

それなりに大きい会社であれば就職四季報からも情報を得ることができます。

3年以内離職率はもちろん、平均勤続年数や平均年齢、有給休暇取得率、賃金推移など得られる情報は入社前に絶対に知っておかなくてはならない情報です。

求人の頻度が高い

ハローワークを利用する場合、求人がどれほどの頻度でだされているかは必ずチェックしましょう。

ブラック企業のように離職率が高い会社というのは当然何度も求人を出すことになります。

求人を出している頻度は以下のサイトで確認することが可能です。

ハロワ検索

労働条件、昇給やボーナスが曖昧

求人票に書かれている様々な情報ですが、給料であれば年収で書かれていたりボーナスであれば〇ヶ月分と書かれていたり、休日であれば年間休日〇〇日というように書かれていればわかりやすいですよね。

しかしわざわざわかりにくい書き方をしている企業というのも注意が必要です。

わかりやすい書き方もあってそう書くのは難しいことではないのに、わざわざ曖昧な書き方をするということはそこに何かあると考えたほうがいいでしょう。

面接が適当

ブラック企業のようにとにかく誰でもいいから安い給料でこきを使える人材がほしいと考えている企業は、面接でじっくり人を判断するようなことをしません。

その為、面接が適当に行われる場合も少なくありません。

面接のようにその会社の人と直接応対するような場面というのは多くのヒントが隠されているのでよく見るようにしてください。

転職エージェントを利用

ハローワークは転職エージェントに比べてブラック企業が多いというネガティブな面があります。

その為、転職活動をする際にはできれば転職エージェントの利用をおすすめします。

転職エージェントは求人を応募者に紹介する前に事前調査しあまりにもひどいブラック企業を除外するということも行っているのでブラック企業を避けることに一役買ってくれます。

万が一ブラック企業に入社してしまったら

ただいくら企業についてよく調べても、思わぬ見落としなどによってブラック企業に入社してしまうという可能性も決してゼロとは言えません。

そんな時は決して働き続けようとせずにできるだけ早く辞めることが大切です。

すぐに辞めるわけにはいかないと頑張り続けてしまうと身も心もボロボロになってしまい、最悪の場合病気になってしまう可能性もあります。

早期離職は確かに転職市場においてあまり良くないものです。しかし転職ができないなんてことはありません。

ブラック企業に就職してしまったから早期離職につながったということに対し、納得してくれる企業もたくさんありますから無理に頑張り続けないようにしてください。