都会で就職し働いている中で、ふと地元に戻りたいななんて思いUターン転職をしようかなと考えている人は多いのではないでしょうか。
地元に帰れる、地元で働くことができるというのはそれだけで大きな魅力ですよね。
ただ魅力ばかりではないということは転職前によく考えておかなくてはなりません。
Uターン転職とは？
今回紹介するUターン転職。まずはそもそもそれが何なのか、似たような言葉にあるIターン転職、Jターン転職、Oターン転職との違いは何なのかを簡単に紹介していきます。
Uターン転職の概要
Uターン転職は地元を離れて進学、就職をした人が、今の仕事を辞めて地元に転職することを指します。
進学時は希望の大学、自分のレベルに合った大学がないという理由から都会に進学をしたり、地元の大学に進学した者の希望の仕事が地元にはない為、都心に就職した人などはたくさんいますよね。
ただそういった人は様々な理由で地元に帰ってくるこを選び、新たな仕事に転職をすることになります。。
Iターン転職、Jターン転職、Oターン転職
Uターン転職以外にもIターン転職、Jターン転職、Oターン転職という言葉があります。
それぞれの意味は以下の通りです。
- Iターン転職・・・地元が都会の人が地元で就職した後に、地方に転職をすること
- Jターン転職・・・地方で生まれた人が都会に就職した後に、地元以外の地方に転職すること
- Oターン転職・・・Uターン転職後にまた都会の企業に転職すること
色々な転職の形がありますね。
Uターン転職をする人にとって、その転職がいずれOターン転職になってしまうことは避けなくてはなりませんが、実は意外に多いんです。
Uターン転職を希望する人の理由
ではUターン転職をする人というのは、なぜわざわざ都会を離れて地元に転職することを選ぶのでしょうか。
人が多くひどい満員電車に乗って会社に行く毎日に疲れた、小さい頃から住み慣れた地元でのんびりと働きたいなんていう理由もあるでしょう。
地元で働き地元に貢献したいなんて考えて転職する人もいるかもしれません。
他に特に多いのは両親の近くで住むことを望みUターン転職をする人が多いです。
子育てをする際には両親が近くにいたほうが心強いということもあるし、将来的に介護等をすることになったことも見据えてUターン転職を希望する人もいるでしょう。
もし遠くでずっと働くことになり年に1回しか会わないとなれば両親と顔を合わせるのはもう30回程度しかありません。親孝行の為にも近くで働くというのは一つの良い選択でしょう。
地方は積極的に支援
地方にとってみれば、若者が都会にばかり就職してしまうことは過疎化にもつながり避けたいこと。
その一方でUターン転職は若者をその地方に増やすことに繋がる非常にメリットのあることです。
その為、多くの地方自治体で様々な支援に取り組んでいます。
転職支援はもちろん、子育て支援、引っ越し費用負担など様々な支援策を打ち出している地方自治体があります。
Uターン転職のメリット
ではUターン転職自体にはどういったメリットがあると考えられるでしょうか。
住み慣れた街だからこそストレスが少ない
一人見知らぬ土地、住み慣れない都会で働くのはただそれだけでストレスが溜まってしまうもの。
職場で仲が良い友人ができればまだいいのかもしれませんが、それもできずプライベートは一人なんて人も多いかもしれません。
地元であれば学生の頃の友人がまだいる場合も多いですし、何より小さかった頃からずっと住んでいた土地なのでホーム感が強く、それだけでそこに住むストレスが大きく減少する可能性があります。
ただでさえ仕事でストレスを感じるのに、ただ住むだけでストレスを感じるというのはかなり辛いと思います。
家賃が安い
都会の家賃は高く、田舎に行けば行くほど安いというのは当たり前。
都会で働いていると家賃が高すぎて会社の近くで借りることができず、会社からかなり離れたところに住んで長時間満員電車にのって通勤する人も多いでしょう。
地方であれば家賃が安く会社の近くに家を借りて通勤時間を抑えることができますし、生活費自体も低く抑えることが可能となるのは大きなメリットでしょう。
子育てがしやすい
子育てで両親のサポートを受けることができるというのも大きなメリット。
特に共働きで子育てをしようと思えば、両親がそばにいるかいないかで子育てのしやすさは全然違うし、子育てに関するプレッシャーも少なくなるでしょう。
保育園も東京に比べると地方のほうが入りやすい傾向があります。待機児童に関しては東京が最も深刻な状態にあります。
自治体によっては様々な支援を受けることができる
先ほども述べたよに、地方自治体によってはUターン転職者に対して様々な支援を行ってくれます。
この支援を受けることができるというのも大きなメリットだと言えるでしょう。
Uターン転職のデメリット
では逆にUターン転職のデメリットにはどういったものがあるでしょう。
年収が低い
都会に比べると地方は年収が低いことがほとんど。
厚生労働省の平成28年賃金構造基本統計調査によると、全国の平均賃金は30万4千円であるのに対し、東京の平均賃金は37万3千円と大きく上回っています。
その一方で地方は低く最も低いところで20万円前半台の都道府県も多々あります。
関東や関西の一部の県や愛知など大都市があるとこは平均を超えていますが、北海道、東北、北陸、四国、中国などは全て平均を下回るという結果になっています。
家賃が低く生活費も低く抑えることができるとは言え、それ以上に年収大幅ダウンしてしまう可能性があるのです。
選択肢が少ない
そもそもある特定の地方に絞った場合には業種、職種の選択肢が少ないというデメリットもあります。
首都圏では多数募集されている業種、職種が自分が住むつもりの地方では全くないという場合もあるし、あったとしても全国転勤の可能性が高い仕事なんて場合もあります。
地元で働くということを第一に考えた場合、それまでの仕事を生かした転職ができない場合があり、その結果未経験職に転職するしか選択肢がないという場合もあるのです。
働きやすさ、住みやすさを感じない場合もある
都会に住んでいれば地方の良さばかりに目がいってしまいがち。
ただ実際にそこに住んで働いてみると、思ったより働きやすくも住みやすくもないと感じる人もいます。
何かと不便だったり、学生時代に住んでいた頃とは感性も変わっていたりで、結局首都圏にOターン転職してしまうという人も少なくはないのです。
大手企業が少ない
地方に転職しようと思えば、大手企業に転職することはほぼ諦める必要があります。
ほぼないし、あったとしても支店であり転勤ありき。その地元に住みたいと思っても、結局転勤して違う場所で住むことになる可能性があるのでわざわざUターン転職する意味がありません。
選択肢としてあるのは中小企業。
ただ大企業にくらべれば年収や労働条件、安定性といった部分はどうしても劣ってしまうでしょうし、ブラック企業も多いので注意が必要です。
優良中小企業ももちろんありますから、いかにその企業を見つけるかが重要になります。
転職時に多大な労力やお金がかかる
住んでいる場所から近い場所を受けるのであれば、仕事探しも面接に行くのも割と楽に済ませることができます。
しかしUターン転職となると、仕事選びにも苦労するし面接を受けに行くにもかなりの時間とお金がかかることになります。
実際転職となった時も、家探しを行う為に何度か行き、引っ越し代金を支払い、敷金や礼金を支払うこととなり相当なお金がかかることになります。
会社によっては引っ越し代を負担してくれたり、社宅や寮があって初期費用がかからない場合もありますが、中小企業だとそこまでしてくれる企業はほぼありません。
Uターン転職する場合の選択肢
Uターン転職はこんな風にメリットもあればデメリットもあるもの。ですから転職するかどうかはしっかり考えなくてはなりません。
ただそれでも転職したいのであればぜひ実行に移しましょう。
ただ転職する場合は民間企業に転職する場合もあれば、公務員に転職するという方法もあります。
民間企業に転職
転職となると民間企業への転職を考える人が多いと思います。
先ほども述べたように選択肢としては中小企業が中心となってきますから、いかに優良企業を探せるかがカギになってきます。
転職活動の流れとしては求人に応募し面接をするだけではありますが、面接が複数回必要になる場合もあり、時間と費用がかなり必要となることを覚悟しなくてはなりません。
1社だけ受けても内定を貰えるとは限りませんから、複数社同時に面接できるように日程調整を上手くやっていく必要があります。
地方公務員に転職
地元で働くという選択肢ならその自治体で地方公務員として働くという方法もありだと思います。
公務員試験の勉強をする必要はありますが30歳未満であれば（自治体によって年齢は若干異なる）応募資格があり、受かる可能性も十分にありますから挑戦する価値はあるのはないでしょうか。
また応募資格の年齢をオーバーしていたとしても社会人採用枠で受けることができる場合もありますからなりたいと考えている人はチェックしてみてください。
ただし公務員になっても、仕事内容などで後悔する人も少なくありませんから、どんな仕事をするか、それは自分に合っているかなどはしっかり調べましょう。
Uターン転職を成功させる為の転職活動のやり方
では最後にUターン転職の転職活動のやり方を紹介していきます。
求人の探し方
まずは求人の探し方から。
情報が少ない中で行っていかなくてはなりませんから、使えるものはできるだけ多く使っていきましょう。
まずはハローワーク。ネットを使えば全国のハローワークの求人情報がでています。
次に転職サイトや転職エージェント。都会の求人が多いのは確かですが、大手の転職サイトや転職エージェントであれば求人数自体が多く、各地方の求人も扱っているので必ずチェックしておきたいです。
また各地方に拠点を持っている転職エージェントもありますから、その地域のものがないかを調べてみてください。
他に各自治体のホームページなどにも情報が掲載されている場合があります。
転職活動のやり方
転職活動を行う上で守ってほしいのは、絶対に早まって会社を辞めないこと。
年収大幅ダウンが免れなかった、希望の仕事が全くなかったりする場合は少なくなく、現実を見たらやっぱ転職は辞めておこうとなるかもしれません。
にも関わらずさっさと辞めてしまえば、引き返すことができなくなってしまいます。
Uターン転職は遠方の企業に応募することになるので確かに大変です。理想としては転職先が決まってからが良いんですが、必ずしもそれができない場合もあるでしょう。
ただ少なくとも多少は転職活動を進めて現実を知った上でなければ、辞めて後悔することになる可能性は非常に高いのです。
最後に
Uターン転職は厳しいこともあります。
しかし実際にUターン転職した人のうち、その転職を不満に感じている人は2割にも満たず、多くの人が転職して良かったと感じているというデータがあります。
しっかり準備した上で行えばあなたの転職もきっと上手くいくはず。冷静さと勢いを両立させしっかり転職活動を進めていってください。
