仕事の内容に不満を持っている人の場合、転職によって業種や職種を変えようと考えている人は多いと思います。
中途採用の場合は基本的に、新卒採用とは違ってこれまでの経験、スキルといった面を重視される為、全くの未経験の仕事に就こうとする場合、それ相応の難しさというのは生じてしまいます。
今回は未経験職種や他業種への転職の実態について紹介していきます。
未経験職種や他業種への転職の実態
中途採用は経験の有無が重視されるという中で、未経験職種や他業種への転職というのは一体どれだけ行われているのでしょうか。
まずは転職の実態から紹介していきましょう。
求人の量
大手転職サイトに掲載されているおよそ10000件の求人のうち、6000件は未経験者歓迎となっており、求人全体のおよそ6割はたとえ未経験者であっても応募することが可能となっています。
そしてそのうちのほとんどは業界経験のみならず職種としての経験も必須とはしてなく、未経験者であっても広い選択肢があることがわかります。
現在、4割以上の企業が正社員不足となっており、募集をかけても人が集まらずに四苦八苦しています。企業によっては人手不足が原因で経営にも影響を及ぼすまでに至ってる場合もあります。
それ故、経験者という制限を辞めて未経験者でも可とする企業が非常に増えている傾向にあります。
転職者の動向
続いて転職者の動向について紹介していきます。
転職サイトdodaが調査した転職者のうち、未経験の職種に転職した人の割合は34%、他業種に転職した人の割合は57%となっています。
業種を変えた場合であっても職種が同じであればこれまでの経験を生かすことができる為、半数以上の人は転職時に業種を変えています。
職種を変える場合、これまでの経験が直接生かせることは難しいのですが、それでも3割以上の人はそれまでとは違う職種に転職しており、これは非常に高い数値と言えるでしょう。
実際、転職理由として、仕事の内容に不満があったからとしている人の割合は非常に高くなっており、多くの人が違うことをやってみたいと考えています。
転職に給料の変動
経験者採用の場合、給料は以前の仕事から上昇する場合のほうが多くなりますが、未経験者が転職する場合、給料面はどうでしょう。
未経験職種
未経験職種への転職の場合、割合としては給料が下がってしまう場合が多くなってしまいます。
さすがにこれまで経験もなく、即戦力とはならない人材に対して高い給料を提示してくれる会社というのはあまりありません。
ただし、転職前の会社が著しく低いという場合には転職によって年収アップする場合もあります。
他業種
業種を変えて職種を変えない場合、基本的に経験者枠での採用となり年収アップすることも十分可能です。
たとえ業種が違うとしても、これまでの経験を生かして即戦力となりうる人材ですし、むしろ違う業種の経験があるが故に会社にプラスアルファの利益をもたらす可能性も秘めています。
転職の際は積極的に年周アップを狙っていっていいでしょう。
転職の難しさ
続いて、転職の難しさを様々な状況別で紹介していくことにします。
種類による違い
まずは転職の種類による違いです。
未経験職種、同業種
業種としては同じだが未経験の職種に転職する場合、職種による違いによって即戦力とはならない観点から難易度は高めです。
ただ、業種の中でも特に近い会社に転職する場合、その業種としての知識等で身につけてきたことで職種が変わっても生かせることは十分にあると考えられる為、その点は多少プラスとなります。
未経験職種、他業種
職種も違う、業種も違うというのは転職の種類の中でも最も何度が高い転職です。
職種としての経験もない、その業界に対する知識もないという場合は当然即戦力にもなりえません。
大手企業の場合、若年層を除いてこのような未経験者を採用している企業はほぼなく、なかなか人が集まらない中小企業が主な選択肢となるでしょう。
同職種職種、他業種
業種が違っても職種が同じであれば、転職における不利な要素とはならず難易度はそこまで高くありません。
会社によってはむしろ同じ業種ではなく違う業種を経験してきた人を採用したいと考えている場合も多いです。
先ほども紹介しましたが、年収アップも十分に狙えるでしょう。
年齢による影響
続いて年齢による影響。業種が異なるものへの転職に関してはあまり関係ありませんが、職種を変える場合には非常に大きな影響が及んできます。
第二新卒
近年、若手の人材不足から求人数が非常に多くなっている入社1年目から3年目の人を対象とした第二新卒採用では、そもそもが未経験者としての採用となるので職種変更が非常にしやすいという特徴があります。
第二新卒として転職する場合に評価されるのはこれまでの経験ではなく、ポテンシャルや熱意。職種での経験があったとしても高評価を得られるというものではありません。
かつ最近ではあえて違う業種、職種を経験したことがある人材を採用したいと考えている企業も多いです。
20代
入社4年目以降で第二新卒として転職することができなくなった人でも、未経験者としての採用門戸は割と広く、転職することはまだ十分可能。
20代という若手の人材は多くの企業で不足しており、職種としての経験関係なく採用を積極的に行っている企業も多数あります。
職種を変えるなら20代のうちというのはよく言われていることであり、とにかく早めに行動するというのがカギです。
30代
30代になると未経験への転職は非常に難しくなっています。
30代前半であればまだ十分可能性はありますが、30代後半になると一気に応募できる企業も少なくなってしまいます。
現在、求人票において年齢制限を課すことは法律上原則禁止となっていますが、長期的に若年者等を採用する場合はこの限りではなく、その一つの指標が35際となっています。
40代
40代から未経験者の仕事に転職しようとしても、相当難易度が高くなってしまうと考えてください。
通常の企業では即戦力とならない中高年層を取ろうとはしません。
ただ人が集まらない中小企業の場合は可能性は決してゼロではなく、実際に多くの人が転職に踏み切っています。
職種による違い
未経験者の転職のしやすさは、職種や業種によっても大きく異なります。
例えば職種の場合、営業であれば未経験者であっても積極的に採用が行われていますし、SEなども多いですね。
一方で文系であれば企画やマーケティング、理系であれば研究開発といった人気のある職種だと未経験者ではなかなか募集がありません。
基本的に、未経験者は経験者のみ募集をしても人が集まらない場合に限られます。
人気の割に募集人数の少ない職種は経験者で賄える為少なく、逆に人気のない職種であれば未経験者でも積極的に採用活動が行われています。
未経験職種、他業種転職を成功させる為のポイント
では、ここからは未経験者がこれから転職すようとしてる場合の成功のポイントについて紹介していくことにしましょう。
これから頑張ります、勉強しますはダメ。未経験といえどもこれまでの経験を武器にする
中途採用である以上、未経験者であってもこれから頑張ります、勉強しますなんていう意気込みではだめです。
これからのことをいくらアピールしたところで何も評価をしてもらえません。
中途採用である以上、未経験者といえどもこれまでの経験を武器にするようにしてください。
これまでどういった仕事をしてきて、その経験をどう生かしていけるのか、そこが大事です。
これまで社会人として働いていた以上、何か生かせる部分はあるはずです。
未経験可の求人の危険性をよく理解する
未経験可としている求人には、ブラック企業も多数まぎれています。
ブラック企業はとにかく人を集めようとする為、制限等はつけません。
その為、企業選びは特に慎重に行うようにしてください。決して情報収集は怠らず、たぶん大丈夫だろうなんて根拠のない自信を持ってはいけません。
長い視点でキャリアプランを描く
未経験者なのに最初から好条件で転職しようとしていても、ほとんどの場合にそれは叶いません。
企業は即戦力として会社に利益を生み出してくれるという人材だからこそ高い給料を支払うのであって、現時点では経験なし、今後のことは未知という人材に対してはどうしても厳しくなってしまいます。
最初はあまり高い理想はもたず、現実を直視するようにしてください。
キャリアアップはその職種での経験を積んでいけば自然と可能性がうまれてきます。
未経験といえどもまずは転職エージェントに相談を
転職エージェントは経験者として転職する場合に使われるものであるというイメージを持たれている人も多いみたいですが、決してそんなことはないので必ず利用するようにしましょう。
転職エージェントは、非公開求人の紹介や様々な転職活動のサポートを行ってくれる為、利用するかしないかで成功率は大きく変わってきます。
特に未経験者の場合、受ける企業をしっかり見極めなくてはなりません。それを一人で行うなんて言うのは至難の技であり、転職エージェントのサポートなしでは難易度が格段と上がってしまうことになります。