転職における年収アップの割合や年収が上がる人、下がる人の違い

転職と年収は切っても切れない関係があります。

元々の転職理由が給料が低いという人もいれば、年収が第一条件ではないけれどもできるだけ下げたくはないという人も多いでしょう。

仕事にやりがいがあれば年収なんてどれだけ低くたっていいという人はすでに相当裕福な人くらいでごく少数だと思います。

そこで今回は転職時の給料に関して年収アップの割合や年収が上がる人、下がる人の違いについて書いていきたいと思います。

転職で年収アップする人はどれくらいいる?

年収が上がるなら転職したいけど、転職すると年収が下がるだろうからできない。そんな風に考えている人は多いかもしれませんね。

世間一般的な考え方では、転職があまり良いものだとは考えられてなく、転職するなら年収が下がることを覚悟しなくてはならないなんていう風潮が少なからずあります。

元々日本は多くの企業で終身雇用制度が取り入れられており、転職することが異質なこととして捉えられる傾向があることが理由かもしれません。

ただそれはあくまでイメージであり、実際の話とは違います。実際には転職して年収が上がる人というのがどの程度いるのでしょうか。

転職で年収アップする人の割合

厚生労働省が調査した「転職入職者の賃金変動に関する状況」によると、転職における賃金変動は以下の通りになっています。

年収

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自己都合で退職した場合の賃金変動は、

  • 3割以上増加・・・3.8%
  • 1割以上3割未満増加・・・13.3%
  • 1割未満の増加・・・12.9%
  • 変わらない・・・36.6%
  • 1割未満の減少・・・9.4%
  • 1割以上3割未満減少・・・13.5%
  • 3割以上減少・・・10.6%

全体的にみると若干減少している人が多くなっている傾向にはありますが、転職したら年収が下がるとは決して言えることではなく、人によっては十分に年収アップを望めるということがわかります。

参考:厚生労働省「職業生涯を通じたキャリア形成

年収アップした場合の相場

転職サイトdodaが調査した結果によると、転職者の平均年収アップ額は56万円程度となっているそうです。年齢別に見ると以下の通り。

グラフ1-2

年齢が高いほうが金額としては高くなりますが、アップ率としてみた場合には20代後半がピークで年齢が高くなるにつれて徐々に減少する傾向にあります。

人によっては400万円以上アップするという人も中にはいますが、さすがにそこまではいかなくても100万円アップ程度であれば十分に狙っていくことができる数字にはなっています。

転職で年収が上がる人、下がる人の違い

転職で年収が上がる人、下がる人の違い

転職した場合には年収が上がる人もいれば下がる人もいます。もちろん転職する際には年収だけがすべてではありませんし、転職で年収が下がったとしてもその転職が成功だと言える場合もあります。

ただやはり年収が転職の成功、失敗を左右する主な要因となることには間違いなく、どうせなら上がったほうが良いという人がほとんどだと思います。

では年収が上がる人、下がる人にはどういった違いがあるのでしょうか。それぞれの違いを紹介していきましょう。

年収が上がる人の特徴

転職で年収が上がるのは決して一握りの人間ではありません。実はそれほどハードルの高いものではないのです。

経験者採用

中途採用として転職する場合に、それまで年収を上回るものを貰おうと思えば一定の能力を有している必要があります。

これだけの能力があって、その経験が生かせるから企業もそれまでの年収よりも高い年収を提示する気になるのです。

よって、年収を上げようと思えば経験者として採用されることが必要となってきます。

業界を変えて転職する場合であればまれに未経験者でも年収が大幅に増えるなんて事例もないわけではありませんが、基本的に年収が上がる人は経験者採用、キャリア採用の枠で転職した人です。

在職中に転職活動を行っている

転職活動を行っている時点で会社を辞めているか辞めていないかというのは転職後の年収に大きく影響してくる部分です。

在職中だとそれまでの年収よりも低い年収であれば入社して貰えなくなってしまう為、以前の年収よりも高いものを提示して貰える可能性が高くなります。

また、会社を辞めていなければ焦ることもなく給料が下がるような転職先しかなかった場合に転職しないという選択をとり、年収が高くなる企業が見つかるまで転職活動を続けることが可能となります。

年収アップの為に転職活動を行っている

転職活動を行う場合、あれもこれもと全てを理想通りのものとはなかなかできず、様々な条件の中から優先順位をつけて転職先を選ぶことになります。

その時、年収を選ぶのか、それとも労働時間や休日数を選ぶのか、やりがいを選ぶのかによって年収が上がるか下がるかというのは全然違います。

もし年収アップを優先とした場合、年収が上がる転職をすることができる可能性というのは十分に高いと言えます。

現在、実力に見合わない収入になっている

給料というのは個人の実力によって決まるものではありません。たとえ実力がある人であっても年収が低い人もあれば、逆に全然仕事ができないのに収入が高い人もいます。

新卒で入社した会社がどれだけ年収が高い会社だったのか、そこで決まる部分が大半です。

もし実力が高いのに年収が低いのであれば、転職することによって年収が上がる可能性というのは大きいです。

景気が良いタイミングで転職している

転職で年収が上がりやすいか、それとも下がりやすいかというのは景気の良し悪しによっても変わります。

厚生労働省の「転職入職者の賃金変動に関する状況」によれば、リーマンショック前と後で転職時の年収アップ、ダウンの差は以下の通りになっています。

2006年

  • 賃金増加・・・34.5%
  • 変わらない・・・36.5%
  • 賃金減少・・・29.1%

2009年

  • 賃金増加・・・26.0%
  • 変わらない・・・39.1%
  • 賃金減少・・・34.9%

リーマンショック前の2006年では転職によって賃金が増加したという人は減少した人が多い一方で、リーマンショック後には大幅に減少したと答えている人が多くなっています。

景気が良い時というのは企業も人手不足になり求人数は増えるので売り手市場となり、企業も人を集める為に好条件を提示せざるを得なくなります。しかし、景気が悪くなると求人数は少なく買い手市場となり、条件を上げなくても人は集まるのでこの時期に転職してしまうと年収が上がらない場合が多くなってしまいます。

幸いなことに現在は超売り手市場となっており、年収アップはしやすい状態にあります。

年収が下がる人の特徴

年収が下がる人の特徴

では逆に年収が下がる人の特徴について紹介していきましょう。

未経験者採用

未経験業界であっても同じ職種でそれまでの経験を生かすことができるのであれば経験者採用の枠で転職することが可能で年収が上がる可能性も十分にありますが、違う職種に転職しようとした場合には年収が下がる覚悟も必要になってきます。

あくまで会社にとって即戦力として利益を生み出してくれるからこそ高い年収を出すのであって、まだ仕事ができない人に対して高い給料をくれる会社はあまりありません。

会社を辞めて転職活動を行っている

会社を辞めてしまえば、在職中と違って転職するしかないという状況に追い込まれます。

すると企業側としてもそこまで高い年収を提示しなくても来てくれるだろうと思われてしまいますし、転職活動が長期化してしまった場合には下がるのもしょうがないという気持ちがでてきてしまい、結局年収面で妥協することにつながります。

年収よりも重視したいことがある

もし転職の目的が年収ではなく、労働条件ややりがいである人がいれば幾分かの年収ダウンを受け入れる場合が多くなります。

給料は下がってもいいから定時で帰りたい、給料は下がってもいいからやりたい仕事に転職したい。そう考える人は意外に多いですね。

先ほど紹介した転職者の賃金変動に関してはこういった年収が下がっても良いと考えている人も含まれている為、年収アップを目指している人の実現できる割合は相当高いと思います。

現在の収入が高い

例えば、現在大企業に勤めていて年齢の割にかなり高い収入を得ている、業界No1の企業に勤めていて同業他社に比べて高い給料を貰っているといった場合は転職によって年収が下がる可能性が高くなります。

年収を増やす難易度はそこまで高くない

年収を増やすのは無理。最初からそんな風に考えている人が多いかもしれませんが、実際は年収を増やすことというのはそこまで難しいことではありません。

もちろん仕事をする上で年収だけが大切なものではありません。年収がいくら高くても残業が多すぎて仕事を辞めてしまうという人も決して少なくありません。

ただ、現状の給料に不満を持っているならば一度転職することを考えてみるのもよいのではないでしょうか。