大企業に転職する方法や倍率、成功のポイント。中小企業からの転職は難しい?大企業からの転職は有利?

就職市場において人気のある大企業は当然転職市場でも人気があり、現在中小企業から大企業に転職したいと考えている人、現在大企業にいて転職するなら同レベルの大企業ではないとだめ、と考えている人は多いことでしょう。

ただ、人気のある分高くなっており、簡単に転職できるほど甘くはありません。

とは言え大企業も中途採用は積極的に行っており、転職できる人というのは必ずいるわけですから、やる前から諦める必要はありません。

大企業への転職の実態

大企業に転職したいと思ってはいても、実際の大企業の定義やどうすれば転職できるのかという点を知らない人も多いです。

そこでまずは大企業の定義やメリット、転職の実態といったことを紹介していきます。

大企業の定義

大企業と聞くと、テレビで商品のコマーシャルをばんばん行っているような企業をイメージする人もいますが、意外に大企業のくくりは広いです。

税法上で決められている大企業かどうかというのは従業員数、資本金によって決まってきますが、職種によってその基準は異なり、定義は以下の通りになります。

業種 資本金 従業員数
製造業、建設業、運輸業、その他の業種 3億円以上 300人以上
卸売業 1億円以上 100人以上
サービス業 5000万円以上 100人以上
小売業 5000万円以上 50人以上

企業によっては従業員の数が1,000人、10,000人を超える企業もありますが、そこまでハードルが高いものではなく、日本国内では1.2万社の大企業がありますし、労働者のうち3割以上が大企業で働いています

ただ、世間の大企業のイメージに近い東証一部上場企業に限定すると企業数は2000企業以下となり、労働者のうち約8%の人しか働いていません。

大企業のメリット

大企業のメリットは、

  • 安定性が高い
  • 給料が高い
  • 休日が多い
  • 規模の大きい仕事ができる
  • 労働の管理がしっかりしている

といった点が挙げられます。

このメリットは、大企業と呼ばれる企業の中でも企業規模が大きくなればなるほど顕著になっていきます。

実際、年間休日数は以下のように従業員数が多くなればなるほど多くなってきますし、

  • 30~99人:107.2日
  • 100~299人:111.6日
  • 300~999人:114.1日
  • 1000人以上:117.7日

平均年収も以下のように従業員数が多くなるほど高くなります。

  • 1〜9人 : 337.3万円
  • 10〜29人 : 386.3万円
  • 30〜99人 : 391.1万円
  • 100〜499人 : 422.4万
  • 500〜999人 : 470.7万円
  • 1,000〜4,999人 : 491.8万円
  • 5,000人以上 : 503.2万円

大企業に転職するには

大企業に転職する場合、方法としては3通りあります。

  • 転職サイト、転職エージェント経由で応募
  • 企業サイト経由で応募
  • 契約社員や派遣社員から正社員登用
  • 紹介予定派遣から直接雇用

転職サイト、転職エージェント経由

基本的には転職サイトや転職エージェントを経由した転職活動を行っていくことになります。

ハローワークにも求人は掲載されていますが、ほぼ中小企業なので大企業に転職することを考えている場合には使えません。

転職サイトでも大企業の求人のほとんどは非公開求人となっている為、検索で見つけることはできずスカウト機能や転職エージェントから紹介して貰うという形で応募する形になります。

ただ大企業の場合だと転職のハードルが高くなってくるので、転職エージェントにサポートしてもらうことが必須となってきます。

企業サイト経由で応募

大企業の場合、中途採用であっても4月入社もしくは10月入社として一括で採用活動を行う場合も少なくはなく、その場合に企業サイトに求人が掲載されている場合もあります。

行きたいと思える企業があったら企業サイトをチェックしてみるようにしてください。

契約社員や派遣社員から正社員登用

一度大企業に契約社員や派遣社員として働いた後に、正社員登用試験に合格して正社員になるというパターンもあります。

大企業では年に1度定期的に行われている場合も多く、チャレンジすることは可能です。

ただ合格するのはかなり難関であり、そもそも受けることすら許可されないことも多いですし、総合職ではなく一般職で採用されることのほうが多いようです。

紹介予定派遣から直接雇用

一部の大企業では、直接雇用を前提とする紹介予定派遣を利用している場合もありますから、紹介予定派遣経由から正社員になることも可能です。

紹介予定派遣自体は、必ずしも正社員になれるわけではないものの通常の派遣社員に比べると直接雇用される可能性は高いです。

ただ紹介予定派遣自体にも採用試験がありますし、働いても企業に断られて直接雇用されない可能性も高いという観点から、今正社員で働いている人がその仕事を辞めて働くのはリスクが高くなってしまいます。

転職の倍率

大企業といっても倍率はピンキリで、倍率の低い企業であれば応募者数が採用予定人数に満たない場合もあります。

ただ、大企業の中でも特に規模の大きい企業、知名度の高い企業、給料や労働条件が良い企業というのはやはり倍率が高くなります。

倍率は求人募集の方法にもよりますが、転職サイトで公開求人として検索して見つけることができる求人だと数千倍を超える倍率になることもあります。

ただ転職エージェントのように非公開求人となっていて、紹介して貰わないと応募することができる企業がないと倍率は低くなり、100倍を切る場合もでてきます。

中小企業からの場合と大企業からの場合の違い

中小企業からの場合と大企業からの場合の違い

大企業に転職する場合、転職前の会社が中小企業か大企業かによっても転職しやすさが異なると考えられています。

中小企業から大企業に転職することは難しい?

中小企業から大企業に転職することは難しいというのが、一般的な考え方としてあります。

そして、それは確かに事実としてあります。

転職市場においては中小企業から大企業に行く人よりも、大企業から大企業に転職する人の方が多くなっています。

その理由として、

  • 大企業に就職できる人はそもそも能力が高い
  • 大企業で勤めていたほうが実績をアピールしやすい
  • 企業が以前の会社の社格も選考のポイントに入れている
  • 大企業と中小企業で仕事のやり方が違うので敬遠される

といった点が挙げられます。

中小企業の中でも企業規模が小さくなればなるほどにその傾向は強くなり、難易度は増してしまいます。

ただ決して不可能というわけではなく、全く知名度もない小さな企業から大企業に転職できたという人も実際にはいるわけですから、チャレンジしてみる価値は十分あると思います。

大企業に勤めていることは有利になる?

既に大企業に勤めている場合であれば、上述したような不利になる要素はありません。

大企業の中でも、企業の規模が多くくなればなるほどに有利になっていく傾向があります。

有名企業にいるというだけで、仕事のスケールが大きく、同じやり方で仕事をやってきている、就職している時点で優秀である可能性が高いといったイメージを持たれます。

もちろんただ大企業で働いていたからといって簡単に受かるほど甘くはありません。

高い実績、スキル、熱意をアピールし認められなければまず受かりません。

年代別の大企業への転職状況

年代別の大企業への転職状況

大企業へ転職する場合に年齢によっても状況は変わってきます。

第二新卒

卒業後1年目から3年目であれば第二新卒として転職活動を行うことになりますが、第二新卒の転職は近年需要が高くなっており大企業も採用人数を増やしています。

それこそ就職活動で人気がありとてつもない倍率になっている企業も採用人数を増やしているのです。

第二新卒の採用は退職した人を補うという目的だけではなく、違う職種や業種を経験した人を目的もあるので、離職率の低い企業であっても採用活動が積極的に行われているという背景があります。

以前の職種も関係なく、未経験職種に転職することができるので、職種を変えたいという場合には第二新卒として転職活動を行っていくのが良いでしょう。

20代後半から30代前半

20代後半から30代前半になってくると、人気のある有名企業では未経験者採用をほぼ行っていない為、その職種として経験があることが重要になってきます。

求められる能力としても高い能力を求められると共に、応募条件としても狭い範囲でのスキルを保有していることを条件となっている場合があり、難易度は高いと言えるでしょう。

ただ募集している人数としてはこの年代が最も多くなっています。

30代後半から40代

年齢が高くなってくると、さらに求められる能力は高くなり、管理職としてのマネジメント経験も必須となる場合が多いです。

この年代をターゲットとして求人自体も数が少なくなってしまう為、難易度はさらに高くなってしまいます。

大企業の場合だとこの年代に対してヘッドハンティングして人を集めてくるという場合も多くなってきます。

大企業に転職する為の成功のポイント

大企業に転職する為の成功のポイント

正直、大企業、それも超がつくほどの大企業に転職することの難易度というのはかなり高いものがあります。

その難易度の転職を成功させる為に、以下のポイントを守るようにしてください。

数をこなす

ただでさえ倍率が高く、応募する人のレベルも高い大企業ですから、まず落ちて当然です。

数社受けて自分には無理だと思うくらいなら最初から辞めておいたほうが良いです。

転職活動にある程度の時間がかかることは覚悟した上で、数十社と受け続ける覚悟を持ってください。

可能性のある企業を受ける

数をこなすにしても、まったく可能性がないような企業を受けていてもしかたありません。

ある程度は可能性のある企業探し、受けるようにしていきましょう。

可能性のある企業というのは、転職エージェントから紹介して貰える企業や転職サイトのスカウト機能を利用した際にオファーメールが来た企業です。

非公開求人というのは職歴等がマッチし、多少は可能性がある人でなければ応募するどころか見ることすらできません。

マイナスポイントを作らない

転職において、マイナスと見られるポイントは極力作らないようにしましょう。

そもそものハードルが高い大企業において、何か一つでもマイナスポイントがあるとそれが致命的になります。

例えば短期離職。第二新卒以外で転職前の会社での勤続年数が3年ということは採用試験においてマイナスとして見られます

また、転職活動時点で会社を辞めてしまっていることもマイナスとみられてしまう場合があります。

転職活動ではリスクを抑える意味も含めて会社を辞めずに行うことをおすすめします。

優れた実績、アピールできるポイントを作る

転職活動で内定を貰う為には、他の応募者に勝る優れた実績やアピールできるポイントがなくてはなりません。

自分よりも優れたものを持っている人がいれば、企業は当然その人をとります。

人気のある企業ではライバルの人数も多く、優秀な人も多いので多少の実績では話になりません。

誰にも負けないだろうという実績やアピールポイントを自己分析を行い見つけ、もしないなら転職を少し待って現職で作るということも必要になります。

一緒に働きたいと思わせる人物に見せる

面接官は、能力の高さや実績、熱意といったもの以外にも、一緒に働きたいと思える人物かということを強く意識しています。

どれだけ能力が高い人間であっても、マナーがなっていなかったり、会話が成立しないような人物であれば採用を見送ります。

一緒に働きたいと思わせる為にも、服装や身だしなみはもちろん、話し方やコミュニケーションの内容など細部まで気を遣うようにしてください。

転職エージェントを活用する

大企業に転職しようと思ったら、転職エージェントを利用することは必須です。

大企業の求人を紹介してもらう為にも、転職活動の質を向上させる為にも使わずに転職を成功させることは至難であると言えるでしょう。

売り手市場の今は可能性が高い

ここまで大企業の転職は難しい、ハードルが高いといったことを述べてはきましたが、以前に比べれば相当チャンスが大きくなっています。

現在は大企業において人手不足が顕著になっていて、転職希望者の数は増えていないのに求人の数は非常に多くなっています

ぜひこのタイミングで挑戦してみてください。